空気中の水分粒径を測れる湿気センサーの威力

MANAが開発、最小計測粒径は500nm。湿気の種類に応じたシステム設計に利用

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水滴粒径計測装置㊤と、湿気センサー㊦
 物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)の川喜多仁MANA研究者らは、空気中の水分の粒径を測れる湿気センサーを開発した。水滴の粒径によって金属のさびやすさなどが変化することを踏まえ、もやが発生したら曇り止めのスイッチを入れるなど湿気の種類に応じたシステム設計に利用できる。3年をめどに実用化を目指す。

 金と銅の電極線を極めて狭い間隔で交互に並べたセンサーを作製した。水滴がセンサー表面について電極と電極の間を覆うと、金と銅の電位差で電流が流れる。この電流から粒径や湿気の量を計る。最小計測粒径は500ナノメートル(ナノは10億分の1)で、電極間隔を広げればより大きな水滴を検出できる。

 今回、試作したセンサーには金を使用したが、より安価な金属を選べる。汎用的な半導体製造技術で量産できるためコストを抑えられる。

 従来の湿度センサーは空気中の水分の総量を計っていた。粒径を計測できると、状況に応じた対応が可能。

 例えば目視できる水滴の粒径は10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以上で、湿度が高くても粒径が小さければ視界を遮らない。ヒーターに取り付け、粒径の大きさに応じて乾燥機能を使うなどのシステム化に役立つ。

 製造や計測などの要素技術は完成しており、今後、用途ごとの製品設計を進める。プラントなどでの湿気の監視や加湿器の検査などの用途に採用を提案していく。

日刊工業新聞2016年2月9日

COMMENT

宮里秀司
出版局雑誌部
企画委員

汎用的な半導体製造技術で量産できるという点で実用化が期待されます。コスト面では電極線に金以外の素材を使うことが必要です。

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