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ガイシが業務効率化に本気!あなたの会社は?

非効率業務を部門ごとに報告、具体的な改善策を宣言
ガイシが業務効率化に本気!あなたの会社は?

日本ガイシの大島卓社長(2015年12月撮影)

 日本ガイシは事務部門の業務の無駄を削減する全社活動「E3(イー・キューブド)活動」を始める。従来は個人が目標を定めていた。事業本部長・部門所管の役員計8人を集めて13日に報告会を開き、各部門の方針と具体的な取り組みを宣言し、実行に移す。大島卓社長は「会社として方針を掲げなければ実行できない」とした上で、「資料作成などに時間をかけず、本当にすべきことに時間を使えるようにする」ことが狙いとしている。

 E3活動は「本質の追求」を頂点に、「無駄の削減」「効率の向上」の3点を目標にしたトップダウン型の活動。事業本部ごとに非効率になっている業務を割り出し、役員、本部長が報告会で改善策を打ち出す。製造部門に比べて難しかった事務部門の業務効率化に本格的に挑む。 

 現状では、使うかわからない資料作成に時間をかけていたり、異なる形式の資料間で数値を転記したりしている無駄があるという。報告会でこうした事例の改善策を発表し、実行に移す。

 従来は社員一人一人が無駄削減の目標を定め、上司が実行を支援する方式を取っていた。個人の取り組みに加え、トップダウン型の全社活動を始めて、業務効率化を目指す。

大島社長「今年は労働の質を上げる年」


2016年1月1日付 日刊工業新聞「申年生まれの経営者」から


 2016年は全社的に「労働の質」を上げる年としたい。米国駐在時代から「日本人は仕事が丁寧だが、本当に必要な仕事をしているか」と思っていた。資料作り一つとっても不必要な仕事が多い。今後は部署単位でアイデアを出し合い、「中身のある仕事」を追求してもらう。プライベートは健康第一で、朝の散歩の回数も増やそうと思っている。(談)
2016年6月9日付、同年1月1日付の日刊工業新聞記事を再編集
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
思わず自分自身の仕事の進め方について考えてしまった。業務効率化が必要なのは、頭では分かっていてもなかなか進まないものだ。 3月まで日本ガイシの取材を担当していたが、大島社長はたしかに「仕事の効率性を上げたい」と何度も言っていた。実際にプロジェクトを立ち上げ、行動に移すところに、並々ならぬ決意を感じる。

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