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若手職人の“オリパラ”、技能五輪で人材力アップ図る自治体

17年の栃木、18年の沖縄で準備進む
若手職人の“オリパラ”、技能五輪で人材力アップ図る自治体

2015年の技能五輪全国大会で技を競う栃木県の選手ら

 栃木県は2017年秋に同県内で開かれる「技能五輪全国大会・全国アビリンピック」に向け、選手を育成する企業や学校に対し16年度に前年度比7割増の総額1000万円を助成する。1件当たりの上限は前年度の30万円から50万円に増やす。栃木県は17年の技能五輪で100人の選手出場を目指し県内の企業や学校に高い技能習得を促す。10カ所以上の競技会場も近く確定させる。

 栃木県は15年度に技能五輪などの関連助成金600万円を計上し、企業、学校など合計22件を支援した。技能習得に必要な材料費や工具代、講習会の参加料などが対象で、16年度は年間40―50件の助成を想定する。

 技能五輪に挑戦する企業や学校に同県が認定する「とちぎマイスター」も派遣する。技能検定1級取得者や同等の技能を持つ46職種223人で構成し、一部の人々に競技の体験などを語ってもらう。

 競技会場は栃木県宇都宮産業展示館(マロニエプラザ)や県立、宇都宮市立の体育館、企業の拠点、学校などを計画し、総面積約4万平方メートルの確保を目指す。

 15年の千葉開催の技能五輪全国大会には栃木県から31人が出場。日立アプライアンス栃木事業所(栃木市)やホンダエンジニアリング(芳賀町)、ハシモ(大田原市)、県立県央産業技術専門校(宇都宮市)などの選手が入賞。17年の地元開催に向け、こうした企業や学校をベースに選手層を厚くする。

 6月10日に宇都宮市と小山市、上三川町、関係団体などと組織する「とちぎ技能五輪・アビリンピック2017推進協議会」(福田富一会長=栃木県知事)の総会を開き、詳細を詰める。

沖縄県は推進協議会を発足


日刊工業新聞2016年6月3日 


 沖縄県は2018年に県内開催する技能五輪全国大会と全国アビリンピックに向け、関係機関93者による推進協議会を発足した。会長に翁長雄志沖縄県知事が就いた。2016年度は実施計画を策定する。開催年度まで2年を切っており、「加速的に進めていく」(沖縄県)考え。

 県内での認知度が低い状況を踏まえ、シンボルマークなどを年度内に決め、PR活動も始める。選手の育成、強化では75社・団体に各20万円を訓練費として助成。学校への出前講座や合同練習会を通じた指導も行う。沖縄県は16年度の技能五輪山形大会に30人規模が出場する見込み。地元開催する沖縄大会に向けて参加選手をさらに増やす考え。

 両大会の沖縄開催は初めて。技能五輪は41職種を13会場で行い、来場者数は延べ10万人を想定。アビリンピックは3会場で22種目、同5万人を見込む。開催期間はいずれも18年11月2―5日の4日間を予定する。
日刊工業新聞2016年5月23日
三苫能徳
三苫能徳 Mitoma Takanori 西部支社 記者
金属加工や機械設計などモノづくり系、調理やフラワーアレンジメントといったサービス系の競技で技能を競います。自治体が狙う開催効果としては人材の技能向上に加えて、関係者や観客らの滞在による経済効果、全国から企業関係者が来県することによる投資環境のPRなど。沖縄県はモノづくり系競技に使う設備の導入が課題。機械金属系の製造業が少ないためです。ただ逆に考えれば、新たに基盤を整える絶好の機会でもあります。なお今年は山形県で開催予定です。

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