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太陽電池の大量廃棄時代に備えよ!13年度末のパネルは5720万枚

「2032年問題」に向け早くもNEDOがリサイクルの実証実験
太陽電池の大量廃棄時代に備えよ!13年度末のパネルは5720万枚

太陽光パネルのリサイクルフロー

 太陽光パネルのリサイクルの記事です。

 記事にある13年度末の太陽光発電システムの累計導入量14・3ギガワットは1430万キロワット。仮にパネル1枚を250ワットとすると13年度末に使われている太陽光パネルは5720万枚。それだけのパネルが20年後に一度に廃棄されると・・・。

 以下、大量廃棄に備えてリサイクル技術開発の記事です。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は今夏をめどに、太陽電池のリサイクルの事業化に向けた実証実験を始める。事業化を計画する民間企業などの提案をもとに、最長4年で事業の費用対効果や継続性などを検証する。2030年代以降、使用済み太陽光発電システムの大量発生が予想されており、それを見据えて低コストで適切に処分できる再利用システムの構築を目指す。
 
 5―6月頃に民間企業などから事業化計画の提案を募集する。計画の妥当性や実現可能性などを審査。結晶シリコン型や薄膜シリコン型など特定種類に用いるリサイクル事業や、さまざまな種類に対応できる事業など複数の計画を選定する予定。

 費用に関してはNEDOが3分の2を補助し、共同事業として取り組む。1ワット当たり5円以下の分解処理コストを成果目標とし、研究を進める。太陽光発電システムをめぐっては、13年度末時点で累積導入量が14・3ギガワットに達した。特に12年に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度によって普及が加速。10キロワット以上の設備は20年間、全量を買い取るため、発電事業に参入する事業者が増えた。

 2032年以降にこの買い取り期限を迎えることから、使用済み太陽光発電システムが大量に発生すると予想されている。このため、撤去や回収作業を含めた低コストのリサイクル技術を確立することが課題となっている。
日刊工業新聞2015年04月16日 科学技術・大学に加筆
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
太陽光パネルはガラスに樹脂などの素材が密着しています。素材、ガラス、金属に分解できると素材別に再利用できますが、現状では素材が混ざったまま粉々に粉砕して廃棄しています。もう一度資源として使うために廃棄された太陽光パネルを素材別に分解する技術開発が必要です

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