工科高校離れを食い止めろ!大阪府が産学官プロジェクトを発足
大阪府は企業や府教育委員会と連携し、工科高校の魅力を発信するプロジェクトチームをこのほど発足した。2016年春の入試では工科高校9校中6校が定員割れする深刻な状況。モノづくりの現場で働く人材確保のため、産学官が一体となって保護者や中学生に魅力をアピールする考えだ。モノづくりの町大阪の優れた技術の継承が危ぶまれる今、同プロジェクトを通じて早急に対策を講じることが求められている。
「オープンキャンパスに保護者を同伴させる仕組みが必要では」「女子学生が入学したくなるように」「中学生はイケてるかイケてないかで学校を決める傾向にある」―。5月末に開催された第1回工科高校魅力化推進プロジェクト会議では、企業や大学関係者から工科高校に対して活発な意見が飛び交った。正規雇用での高い就職率や特有の技術の習得といった正攻法のアピールだけでは、中学生の心になかなか突き刺さらないのも事実だ。
モノづくりの現場の下支えをする工科高校の定員割れは、中小製造業の技術継承を途絶えさせかねない。この課題解決に向けて大阪府の教育庁、商工労働部、府立工科校長会は同プロジェクトチームを発足した。経済団体や大手銀行などの産業界や、私立の高校・大学からの意見も積極的に取り入れ、中学生や保護者に工科高校の意義を効果的に訴えようとする取り組みだ。
産業界側も協力には前向きだ。ダイキン工業の山下浩幸人事本部採用グループ長部長は「モノづくり人材の確保を学校側に任せるばかりでなく、インターンシップ(就業体験)などで学校が企業とも連携しているという安心感を、もう少し保護者にアピールしていけたら」と訴える。一方で中学校の教育現場での課題を指摘する声もある。大阪電気通信大学高校の大音博司校長は「中学校の技術の時間数が減らされ実習ができなくなっている。モノづくりに興味を持たない子どもを工業に向かせるのは難しい」と指摘する。
第2回会議では企業側が府内工科高校を視察し、課題を探る予定だ。工科高校の魅力アップには息の長い活動が求められるが、一方で夏には来春の入試に向けた中学生の進路も固まってくる。定員割れを繰り返さないためにも、一刻も早く有効打がほしいところだ。
「オープンキャンパスに保護者を同伴させる仕組みが必要では」「女子学生が入学したくなるように」「中学生はイケてるかイケてないかで学校を決める傾向にある」―。5月末に開催された第1回工科高校魅力化推進プロジェクト会議では、企業や大学関係者から工科高校に対して活発な意見が飛び交った。正規雇用での高い就職率や特有の技術の習得といった正攻法のアピールだけでは、中学生の心になかなか突き刺さらないのも事実だ。
モノづくりの現場の下支えをする工科高校の定員割れは、中小製造業の技術継承を途絶えさせかねない。この課題解決に向けて大阪府の教育庁、商工労働部、府立工科校長会は同プロジェクトチームを発足した。経済団体や大手銀行などの産業界や、私立の高校・大学からの意見も積極的に取り入れ、中学生や保護者に工科高校の意義を効果的に訴えようとする取り組みだ。
産業界側も協力には前向きだ。ダイキン工業の山下浩幸人事本部採用グループ長部長は「モノづくり人材の確保を学校側に任せるばかりでなく、インターンシップ(就業体験)などで学校が企業とも連携しているという安心感を、もう少し保護者にアピールしていけたら」と訴える。一方で中学校の教育現場での課題を指摘する声もある。大阪電気通信大学高校の大音博司校長は「中学校の技術の時間数が減らされ実習ができなくなっている。モノづくりに興味を持たない子どもを工業に向かせるのは難しい」と指摘する。
第2回会議では企業側が府内工科高校を視察し、課題を探る予定だ。工科高校の魅力アップには息の長い活動が求められるが、一方で夏には来春の入試に向けた中学生の進路も固まってくる。定員割れを繰り返さないためにも、一刻も早く有効打がほしいところだ。
日刊工業新聞2016年6月1日 中小企業・地域経済面