AIで生徒の学力アップ!凸版印刷、電子教材で個別答案を解析

算数から17年度の教材入札に参加。2万7000問のネットワークを構築

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 凸版印刷は人工知能(AI)などの技術を活用して生徒一人ひとりに合わせた問題を出題する電子教材「やるkey(やるキー)」を開発した。学校の宿題として取り組ませることで、先生はクラス一人ひとりの理解度を一覧してから授業に臨める。小学校3―6年生の算数の教材として2017年度春に発売する。17年度の教材の入札に参加する。

 生徒が問題を解くと間違え方に応じて、それを補う問題を出題する。例えば「14個のリンゴを3人で分けるときの余りはいくつか」という問題では、かけ算の3の段を覚えていない、割り算がわからない、余りの概念がわからないなどのポイントがある。間違え方や解答履歴を解析して、なぜ間違えたかを突き止められる。

 小学校3年生の算数では、6500問を433の間違えるポイントに応じて関連づけた。一つの問題は平均5個のポイントを含み、3―6年生全体で2万7000問のネットワークを構築した。グループ会社で教科書を出版している東京書籍(東京都北区)が協力した。

 まずは算数から17年度の教材の入札に参加する。17年度中に国語と英語を追加する。将来、導入シェアの5割以上を目指す。

 教材各社ではAIを使った教育の個別化を進めている。単元や問題の単位でAIを使っても、ある問題を正解した子どもはこの問題を間違えないなどの関係性はわかるものの、なぜ間違えたかはわからなかった。そのため問題の提示精度が学習ドリルと大きく変わらなかった。

日刊工業新聞2016年5月30日

COMMENT

AI技術を使った個別化教育は、IT企業や予備校、教科書会社などの異業種が入り乱れる市場です。教科書会社は学校向けに教材の電子化を進めてきており、教育ノウハウを応用して学校外の学習を取り込む挑戦をしています。学校外ではIT系と予備校が強く、IT系は価格競争をしかけて教員や塾講師の代わりを目指しました。凸版印刷と東京書籍はあくまで教員の補助教材を目指しています。教科書会社が先生との競合を避けたと邪推してしまうのですが、実際は個別化教材の限界が理由です。生徒の考え違えなどをある程度特定できても、教材は教えることができません。詰め込みでなく、理解に導くことが難しいためです。先生と個別化教材がうまく協調して教育の質向上を目指します。 (編集局科学技術部 小寺貴之)

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