関西の活性化どうしますか?「今、シャープに注目。アジアの成長を取り込む」

関西経済同友会の鈴木代表幹事に聞く。

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 関西経済同友会の新代表幹事に鈴木博之丸一鋼管会長兼最高経営責任者(CEO、70)が、16日付で就任した。鳥井信吾サントリーホールディングス副社長(現副会長)以来、3年ぶりのメーカー出身となる。村尾和俊氏(NTT西日本社長)の後を受け、蔭山秀一代表幹事(三井住友銀行副会長)とタッグを組む。関西経済の活性化策やモノづくりについて聞いた。

 ―関西の現状は。
 「景気を示すさまざまな数字はよくないが、関西は、訪日外国人観光客(インバウンド)の増加がけん引し、数字より雰囲気でみれば活気がある。ただ、東京に比べ遅れているインフラ整備に課題がある。高速道路のミッシングリンクの解消、リニア中央新幹線の全線同時開業や北陸新幹線の早期大阪開業がそうだ。これらは早急に取り組む必要がある」

 ―関西のモノづくりをどう見ていますか。
 「関西は昔、官に頼らない独立独歩の気風があったが、今は見られない。もう一度呼び起こす必要がある。アジアとは距離も雰囲気も近い。アジアの成長を取り込んだグローバル化も必要だ。その意味で、今、シャープに注目している。海外に出るだけがグローバル化でなく、海外企業が日本に進出するのもグローバル化だ。人や企業が関西に来やすい環境を整え、アジアの成長を取り込み活性化する仕組みが要る」

 ―今年度は次世代のための行動や知と力の結集などが課題です。
 「日本の課題は少子高齢化と若者の将来不安。何十年もかかるが、構造的な問題に早期着手し、具体策を示すことが次世代のためになる。関西の知と力の結集では、環太平洋連携協定(TPP)にどう取り組むか。ベンチャー企業が生まれる土壌形成を目的に研究・提言する新たな委員会『関西版ベンチャーエコシステム委員会』にも期待している」

 ―意気込みを。
 「会員から”頼むよ“とよく言われる。モノづくりの考え方や目線で、鋭い切り口の提言をしていきたい」
<プロフィル>
鈴木博之(すずき・ひろゆき)69年(昭44)東大工卒、同年住友商事入社。80年丸一鋼管入社、83年取締役、90年常務、97年専務、03年社長、13年会長兼CEO、09年関西経済同友会常任幹事。大阪府出身、70歳。
【記者の目・モノづくりで巻き返し期待】
 鈴木氏が商社時代や鉄鋼メーカーで培ってきた海外経験は、グローバル化が課題となっている関西には欠かせない。まずは観光産業に押され気味となっている関西のモノづくり産業を巻き返してもらい、「とがった提言より鋭い切り口の提言」に期待したい。
(聞き手=大阪・青木俊次)

2016年5月27日付中小企業・地域経済面

COMMENT

神崎明子
デジタルメディア局
編集委員

エレクトロニクス産業に象徴されるように、関西のものづくり企業には個性的な経営者も多く確かに独特の気風があります。経済再生へ正念場を迎える時だからこそ、こうした企業の活力や中長期を見据えた発信力が期待されます。

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