「猫の手」じゃなくて「ロボットの手」を借りてみる―産ロボまずはレンタルで

安全柵不要で簡単設置

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東京センチュリーリースは川崎重工業の双腕型ロボット「デュアロ」をレンタル
 産業用ロボットをレンタル提供する事業者が増え始めた。東京センチュリーリース、オリックス・レンテック(東京都品川区)の2社が4月にロボットレンタルの新事業を開始。中小企業など、これまでロボットを活用できていなかった新ユーザーの獲得を狙う。取り扱うのは安全柵が不要で簡単に導入できる次世代型のロボット。国策としてロボットの利活用が奨励される中、新たな導入法としてレンタルを定着させることができるか―。

 「今の時代にフィットしたサービスだと思う」。東京センチュリーリースの高島俊史執行役員は、今春開始したロボットレンタル事業をこう表現する。深刻化する労働力不足への対応策として、ロボットにかかる期待は大きい。だが、人材確保で不利な中小企業にとって、“壁”になりがちなのがロボットの導入費用。ロボットのレンタルは、この壁を取り払うのが狙いだ。
 
 取り扱うのは、川崎重工業の双腕型ロボット「デュアロ」。接触時に自動停止する安全機能を備えているため、柵を設けず手軽に設置できる。また、タブレット端末などで簡単に動作設定できるのも特徴だ。「まさしくレンタルにうってつけのロボット」と高島執行役員は断言する。

 レンタル料は6カ月契約の場合は1カ月20万円前後。「例えば受注が集中する時期だけデュアロを借りることで、コストを抑えながら人手不足に対応することができる」(高島執行役員)という。

 オリックス・レンテックも、この春に動いた。こちらは、スイスのABBが開発した双腕型ロボット「ユーミィ」を貸し出す。デュアロと同じく安全柵が不要で簡単に設置することが可能。電子機器部品の仕分けや検査など、人手作業からの置き換え需要を見込む。料金は6カ月レンタル時で月額19万9000円(消費税抜き)。「今後、ユーミィ以外のロボットの取り扱いも検討する」(オリックスグループ広報部)としている。

 オリックス・レンテックはABBの双腕型ロボット「ユーミィ」を貸し出す

 これまで一般的ではなかったロボットレンタルという形態。特に中小企業にとっての新たな導入方法として、注目を集めている。日本ロボット工業会の冨士原寛専務理事は、「資金繰りの観点から、(レンタル提供を)ありがたいと思う中小企業は多いはず」と今後のユーザー拡大に期待する。

 とはいえ2社の取り組みはまだ始まったばかり。ユーザーにどう受け入れられるかは未知数だ。ロボットメーカーなどと連携しつつ、どれだけレンタルの価値を訴求できるかが、ポイントになる。

日刊工業新聞2016年5月27日 ロボット面

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昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

あるロボットメーカーの方は「最初からロボットにすごいことをやらせようと思うのではなく、まずは簡単な作業から置き換えてみるのが導入をすすめるポイント」と話していました。

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