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今年の産業用ロボット出荷額見通し、7500億円に上方修正

ロボット工業会予測、1月より800億円上積み。中国の投資意欲再燃
今年の産業用ロボット出荷額見通し、7500億円に上方修正

昨年の国際ロボット展

 日本ロボット工業会は25日、2016年の産業用ロボット総出荷額目標を1月に公表した値から800億円増(前年実績比9・7%増)の7500億円に上方修正すると発表した。年初は先行きが懸念された中国市場が安定していることなどから、過去最高を更新する強気の目標に再設定した。稲葉善治会長(ファナック社長)は「国内外ともにロボットの需要は堅調。中国では景気の動きとは関係なく製造業の自動化が加速している」と上方修正の理由を述べた。

 主要市場の国内、欧米、中国で会員各社の受注が高水準を維持していることを踏まえ、目標値を改めた。中国では15年に自動車向けの一部が停滞したが、足元ではユーザー間でばらつきはあるものの、総じて再び投資が活発化している模様。また、労働力不足などを背景に非自動車分野でもロボットの採用が加速し、好調を維持している。

 国内では前年比20・5%増と大きく伸びた15年の流れが続きそうだ。経済産業省のロボット導入実証事業など政策効果が期待されるほか、ロボット技術の進化により用途の幅が広がっていることも理由。特に食品製造、物流などの現場でロボットの導入が活発化する可能性がある。このほか、欧米では好調な自動車産業向けがけん引役になりそうだ。

 同日発表した15年の総出荷額(会員、非会員75社が実績を回答。国内事業所からの出荷分のみ)は、同15・8%増の6834億円で過去3番目の数値を記録。液晶・半導体分野向けロボットの販売増などが寄与した。
日刊工業新聞2016年5月26日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
1月の時点では中国市場が弱含んでいたことなどを踏まえ、慎重な見通しを立てていた。ただ2月の春節(旧正月)が明けた後、現地企業の資金繰り改善などにより自動化投資が再燃しているという。国内、欧米も堅調に推移する一方で、依然動きに乏しいのが東南アジア。現地では人件費高騰が加速しポテンシャルのある市場なだけに、投資マインドの回復が待たれる。 (日刊工業新聞社編集局第一産業部・藤崎竜介)

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