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積極投資が止まらない!業界に逆風も、攻めの姿勢を曲げない村田製作所

長野・小諸に高周波モジュールの新棟
積極投資が止まらない!業界に逆風も、攻めの姿勢を曲げない村田製作所

小諸村田製作所(長野県小諸市)に建設する新棟(イメージ図)

 村田製作所は、スマートフォン向け高周波(RF)モジュールを生産する小諸村田製作所(長野県小諸市)に、生産棟(イメージ)を新設する。建物と設備を合わせて投資額は約100億円。8月に着工し2017年5月に完成する。スマホ市場の成長は鈍化しているものの、1台に搭載する部品点数は増加傾向にある。生産能力を強化して需要増に対応する。

 延べ床面積は1万624平方メートル。地上5階建て。18年度までに従業員も約40人増やす。同拠点は12年にルネサスエレクトロニクスから買収した場所で、既存の建物・設備の老朽化も進んでいた。
小諸村田製作所で生産するRFモジュールは、信号を増幅するパワーアンプモジュールや、必要な信号を取り出すフロントエンドモジュールが中心。

 同分野は、TDKが米クアルコムとの合弁会社への事業移管を決めている。世界的には、米スカイワークス・ソリューションズや米ブロードコム(旧アバゴ・テクノロジー)などが大きなシェアを占める。

滋賀・八日市事業所にインダクター向けフェライトの新棟


RFE:日刊工業新聞2016年4月14日
 村田製作所は研究開発と生産の拠点である八日市事業所(滋賀県東近江市)に、インダクター用のフェライトコアを生産する新棟を建設した。八日市事業所は同社にとって唯一のフェライトコア生産拠点。新棟建設で生産体制を強化し、急拡大するスマートフォンや車載向けの部品需要に対応する。

 新棟は4月下旬に稼働を始める予定。地上4階建てで、延べ床面積は4920平方メートル。投資金額は非公表。生産するフェライトコアは国内外のインダクター工場向けに、金属磁性材料として供給する。同社は国内やマレーシアにインダクター工場を持つ。

 高周波回路や電源回路に搭載されるインダクターは、主にノイズ除去などを目的に用いられる。同社の高周波回路用インダクターは、自社推定で世界トップシェアを持つという。

福井に金属機構生産の新棟


日刊工業新聞2015年12月21日


 村田製作所は金属機構商品などを生産する鯖江村田製作所(福井県鯖江市)に新棟を建設する。同製作所では7棟目の生産棟となる。2016年1月に着工し、同年12月に完成する。投資額は27億円。新棟ではモバイル機器向けなどに需要が拡大している、ポジションセンサーや高周波同軸コネクターを主に生産する。(京都)

石川・白山に高周波部品の新工場


日刊工業新聞2015年10月8日


 村田製作所は7日、高周波部品を増産するため金沢村田製作所(石川県白山市)に新工場(イメージ)を建設すると発表した。投資額は120億円で、2016年9月に完成する。金沢村田製作所では7棟目の工場となる。新工場ではスマートフォンなどに搭載する表面弾性波(SAW)フィルターなどを生産する。同社は16年3月期に1500億円の設備投資を計画し、SAWフィルターで生産能力を30%高めるとしていた。金沢村田製作所はSAWフィルターの生産拠点で、20年3月期までに約300人の増強を行う。

 同社は積層セラミックコンデンサー(MLCC)でも設備投資を積極化しており、9月に福井村田製作所(福井県越前市)で新工場が完成したばかり。また出雲村田製作所(島根県出雲市)でも、180億円を投じて新工場2棟を建設している。

福井にMLCCの新工場が完成


日刊工業新聞2015年10月7日


 村田製作所は福井村田製作所(福井県越前市)に、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の新生産棟(写真)を建設した。投資額は100億円。同棟の延べ床面積は2万2620平方メートル、建築面積は3600平方メートル。セラミックスの焼結など微細加工を必要とするMLCCの前工程を手がける。
日刊工業新聞2016年5月25日
尾本憲由
尾本憲由 Omoto Noriyoshi 大阪支社編集局経済部
この半年だけでも、国内での新工場建設の発表が相次ぐ。それもそのはず、村田製作所の設備投資額は16年3月期に過去最高の1752億円に達したが、17年3月期計画も1600億円という高い水準を維持している。足元の経済情勢は不透明だが、決して縮み思考に陥らないのが、同じ京都の日本電産と似通っている。

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