セブン-イレブン、海外店に「日本流」浸透なるか

韓国やシンガポールに続き香港で。順次、導入国増やす

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 セブン―イレブン・ジャパン(SEJ)は、同じセブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の米国のセブン―イレブンが展開する海外店舗の運営で「日本流」の導入先を拡大する。韓国やシンガポールに続き、香港の店舗でノウハウ導入を始めた。これまで海外の店舗は、米セブン―イレブンがライセンス供与し、米国流の店舗運営などを推し進めてきた。今後は、SEJが競争の激しい国内市場で培ってきたノウハウを積極的に海外店舗に移植し、海外売り上げの拡大を目指す。

 SEJはこれまで、韓国やシンガポールの店舗でノウハウを共有してきたが、香港でも導入を開始した。今後、導入国を順次増やす見込みだ。セブン―イレブンは日本の約1万8600店のほか、海外では米国や東南アジアなどに計4万店以上を展開する。ただ、ほとんどが米セブン―イレブンと現地企業のライセンス契約で、店舗は米国流のノウハウで運営されてきた。

 SEJは1、2年前から韓国やシンガポールの店舗開発や効率的な運営、商品開発などで日本流のノウハウの共有化を開始し、成果も出ている。このため、米セブン―イレブンのライセンス供与先で、SEJのノウハウを共有化する店舗を増やす。

 「セブン―イレブン」は台湾(約5000店)やタイ(約9000店)、マレーシア(約1950店)、フィリピン(約1650店)など東南アジアを中心に展開されている。

(右から古屋セブン―イレブン・ジャパン社長、井阪セブン&アイHD社長、後藤同副社長)

井阪新体制スタート


 セブン&アイ・ホールディングス(HD)は26日、井阪隆一氏が新社長となり、同氏との対立が取りざたされた鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)が退任して名誉顧問に就任。新たな経営体制を発足した。同日開いた記者会見で井阪社長は、課題であるイトーヨーカ堂やそごう・西武の百貨店事業の業績てこ入れ、店舗とネットを融合したオムニチャネル事業の収益力強化について「100日後をめどに重点課題を洗い出し、成長戦略と構造改革を練り上げる」と決意を示した。

 井阪社長は電撃的に会長兼最高経営責任者(CEO)を退任した鈴木敏文氏について「名誉顧問として残ってもらえることになった。(鈴木氏が築いた)変化への対応と価値の追求という(セブン&アイの)基盤を引き継いで成長につなげたい」と説明。

 その上で、鈴木名誉顧問によるトップダウン経営が長く続いたグループの現状について、「本音で議論できる形になっていなかったかもしれない」とし、「経営陣が(一段と)一枚岩になること」の必要性を強調した。

 カリスマとされてきた鈴木名誉顧問がトップの座から退いたことで、今後の焦点は業界屈指の競争力を誇る巨大組織の運営に移る。井阪社長はHDと事業会社の関係性を念頭に、「(グループの主要)6社の経営陣とは毎月ワンオーワンの個別ミーティングをやる」と、対話重視の体制を築く方針だ。

 また、HDの常務執行役員としてグループ150社を管理してきた後藤克弘氏がHDの副社長に就任。「(井阪社長を)一生懸命支えていく」とし、セブン―イレブン社長になった古屋一樹氏は「井阪社長とコミュニケーションを密にしてやりたい」とそれぞれ決意を語った。

鈴木名誉顧問「オムニチャネルに期待」


 記者会見に先立って開かれた定時株主総会には鈴木名誉顧問、社長を退任して顧問についた村田紀敏氏らも出席し、取締役14人の選任など3議案を承認した。村田顧問は「議論で結論が出た後は、ノーサイドで一丸となり経営にあたる」と強調した。今後、鈴木氏の執務室を本社外に置くことについて「近くにオフィスを設けていつでも質問、相談できる体制にした。センセーショナルな状況ではない」と説明した。

 鈴木名誉顧問は会長兼CEOからの退任について「十分に若い人が後を継げると、自信を持てるようになった。今後、オムニチャネルに力を入れてくれると期待している」と述べた。

日刊工業新聞2016年5月27日

COMMENT

日本流コンビニ運営方法の移植が本格化してきました。日本で鍛え上げられたコンビニの商品開発や運営方法はアレンジの仕方次第でどの国でも通用するのではないかと思います。

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