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1トン対応、リフト・ベルトコンベア付き…倉庫走り回る無人搬送車たち

日本電産シンポ、ラインアップ拡充
1トン対応、リフト・ベルトコンベア付き…倉庫走り回る無人搬送車たち

無人搬送車のバリエーション

【京都】日本電産シンポ(京都府長岡京市、西本達也社長、075・958・3777)は、3月に製品化した無人搬送車(AGV)「S―CART」のラインアップ拡充を2016年内に進める。現在、耐荷重100キログラム対応のAGVに加えて、同1トン対応車を今秋に追加するほか、耐水性や耐寒性の向上も進めて使用環境の範囲拡大を目指す。これによりAGV単独の売り上げを、2017年3月期に5億円、3年後に35億円にまで引き上げる方針。

 日本電産シンポは現在、機能のカスタマイズについて顧客の要望に応じ個別に対応している。搬送物を昇降させるリフト機能付きタイプのほか、ベルトコンベヤーを組み合わせたタイプや、車輪付き搬送物をけん引するタイプなどのバリエーションがある。西本社長は「通販市場の拡大で巨大物流施設内の作業が増加している」とし、年内に標準ラインアップ強化にめどをつけ拡販体制を構築する。

 特に要望の多い、耐荷重性を向上する製品の標準化を優先的に進めているが、そのほかの展開は展示会への出展などで需要を見極めた上で進める方針。耐水性や耐寒性の高いAGVが実現すれば、屋外や冷凍倉庫内など使用環境の範囲拡大が見込める。

 また、構想段階として、内部の減速機構に、現在の遊星歯車減速機ではなく、騒音や振動が少ないトラクション減速機を使う案も検討。病院や美術館など静かな環境での使用ニーズ対応を、具体的に検討する。
日刊工業新聞2016年5月26日 機械・ロボット・航空機1面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
巨大な工場や物流倉庫ではたくさんのAGVがひっそりと、時には軽快な音楽を鳴らしながら走り回っています。台車ロボットが続々と出ていますが、AGVの進化も進んでいます。

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