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三菱自動車と岡山県、次世代EV技術の共同開発を継続

<追記あり>日産から開発担当副社長は来るけれど
三菱自動車と岡山県、次世代EV技術の共同開発を継続

左から益子氏、山下氏、白地氏、池谷氏の三菱自の経営陣

 三菱自動車は岡山県と進めているサプライヤー向け次世代電気自動車(EV)技術の共同開発を継続する。共同開発は県内の中小サプライヤーの販路開拓を後押しするために始めた県の重要施策。活動を続け、県やサプライヤーとの関係維持を図る。
三菱自の開発本部と岡山県が5月中旬に、共同開発を継続することで合意した。EV技術の共同開発は、県内中小企業の技術アピールと販路拡大を目的に2009年度に始めた。16年度が最終年度となっている。

 参加企業は16社。軽自動車の生産を止めている三菱自水島製作所(岡山県倉敷市)のサプライヤーが多く参加している。三菱自は開発のベース車両として使うセダン「ギャランフォルティス」やEV「アイミーブ」などを提供。県内企業が車両を活用し、自社の技術を生かした部品を開発する。三菱自は開発したEV向け技術や部品を評価する役割も担っている。

 これまでにサスペンションやEV関連部品を集約したモジュール品といったEVの軽量化、低コスト化に役立つ中核部品を開発した。完成車メーカーや大手自動車部品メーカー、EV開発のベンチャーなどから引き合いがあるとしている。

次期社長人事「日産を含めて考える」(益子会長)


 三菱自動車は25日、日産自動車の山下光彦技術顧問を副社長として迎え入れる人事を発表した。山下氏は開発トップとして燃費不正の温床となった開発部門の改革に臨む。両社は同日、提携契約の正式締結も発表。シナジーの追求に向け具体的な提携内容の協議を本格化する。

 益子修三菱自会長が社長を兼務し、白地浩三常務執行役員が海外担当の副社長に昇格する。三菱東京UFJ銀行の池谷光司専務執行役員を財務担当の副社長に迎え入れる。いずれも6月24日付。相川哲郎社長と中尾龍吾副社長は燃費不正問題の責任をとって退任する。春成敬副社長も退任する。

 山下氏は同日、記者団の取材に対し「まずは三菱自内のことをいろいろな方から聞いて、不正問題の本質がどこにあるかを知った上で日産での経験を生かして改革に取り組みたい」と抱負を述べた。益子会長は山下氏の人選について「開発部門を改革するには外部の目、力が必要だ。技術面で助言を受けたことも山下さんであれば厳しい任務を果たしていただけると思った」と述べた。

 両社は共同研究や共同購買、車両の相互生産などを柱とする提携契約も結んだ。日産は今後、三菱自と業務提携の具体化に向けた協議の本格化と並行し、8月までに三菱自の資産査定を終える予定。10月にも第三者割当による三菱自への出資の手続きを始めた後、三菱自に会長を含む取締役4人を派遣する計画だ。

 益子会長は記者団に対し「私の責任は臨時株主総会で新体制が発足するまで」と暫定的な留任になるとの見解を示した上で、次期社長人事について「日産を含めて考えることになるが、私はコメントする立場にない」と明言を避けた。
日刊工業新聞2016年5月26日
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
実は、2004年に起きた前回の不祥事の後、三菱3社の計画では、開発費節減の一環として、それまで社内で細々と続けていたEVの開発を中止することになっていた。これについて事業再生委員会で徹底的に討議した結果、CSRの観点から環境に目配りしたクルマを作っていかないと将来はないとして、開発継続を決めた経緯にある。初代アイミーヴは収益を生んでいないが、この技術を維持したことが様々な付帯効果を生み、同社の価値を高めて日産傘下入りに繋がる一つの要素となった。

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