iPhone7のデュアルカメラはLG系に大量発注か、熊本地震でソニーの供給遅れ

そもそもデュアルカメラ「後発」のアップル、競合を超える新機能とは

 次の「iPhone7」で採用されるとみられているデュアルカメラだが、アップルが初期生産分について、これまでカメラ用イメージセンサーのメーンサプライヤーだったソニーを上回る量をLG系のLGイノテックに発注するのでは、との観測が浮上している。野村証券のアナリスト、クリス・チャン氏が書いた投資家向けリポートを週刊投資情報紙のバロンズ(Barron’s)が19日に報道した。

 理由はソニーでのデュアルカメラ生産の歩留まりが思ったほど上がっていないのと、熊本地震でイメージセンサーの生産拠点が被災し、供給が遅れているため。さらに同リポートでは、iPhoneで現在5.5インチモデルしか採用されていない光学手ブレ補正(OIS)が4.7インチモデルにも搭載されると予測している。

 ただ、デュアルカメラ付きのスマートフォンはiPhoneが初めてというわけではなく、すでにLG「G5」、ファーウェイ「P9」といった機種が登場している。

 G5では8メガピクセル、16メガピクセルの2種類のイメージセンサーを並べた格好。スマートフォンが薄型化し、ズームレンズを組み込むだけの奥行きが取れない中、2つのセンサーで光学的に広角、ズームの切り替えを可能にすることで、どちらの場合でも高いクオリティーの写真が撮れるという。一方のP9はカラーとモノクロの二つのセンサーを持ち、色の情報と、光量やシャープさをそれぞれのセンサーに分担させることで、画質の向上を図っている。

 もちろん3D機能や、撮影後のピント合わせという機能も期待できるだろうが、デュアルカメラの分野でアップルは「後発」となるだけに、あっと驚く機能や性能を打ち出さなければiPhoneユーザーは満足しないだろう。もしかすると、昨年買収したイスラエルのリンクスの技術なども組み込みながら、さらなる高画質を狙うのか、あるいはグーグルの「プロジェクト・タンゴ」のように3Dマッピングの方向に行こうとしているのか。

 実は今年1月、デュアルレンズカメラ関連でアップルが出願した特許が公開されている。広角の標準レンズとズームレンズの2つのレンズを備えたスマートフォンについてのものだが、LG G5のように2つのカメラを切り替えて使うだけではない。

 2つのレンズでとらえた画像をスマートフォン画面の上下に表示し、例えば広角レンズでワイドな風景を画面の上半分に映し出す。こうして全体を見渡しながら、拡大して見たい部分に指先を当てると、その部分のズーム画像が画面の下半分で見られるというアイデア。ズームレンズで動物や乗り物など動いている被写体を連続して画面に収めるのは容易ではないが、風景全体を見渡しながらなら追跡しやすい。さらに、撮影中に画面全部をどちらか1つのカメラに切り替えることも可能で、それぞれのレンズによる静止画および動画の同時撮影も行えるという。

 ちなみに、デジタル一眼並みの画質を謳うコンパクトなセンサーカメラとしては、16個ものイメージセンサーを並べた米ライトの「L16」もある。ただし、L16はスマートフォンのような大きさと形状を持ちながら、スマートフォンではない。センサーを16個も持つスマートフォンは想像しがたいが、ともあれ、マルチイメージセンサーでスマートフォンの新たな機能拡張競争が始まることは確かだろう。

ニュースイッチオリジナル
Barron’sのコラム

藤元 正

藤元 正
05月23日
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iPhoneはXperiaのライバルでありながら、ライバル機種が売れてもしっかり儲かるという仕掛けを作ったソニー。だが、熊本地震は痛かった。野村のリポートではあくまで「最初のデュアルカメラ発注分についてLGイノテックが過半を占めると我々は考える」となっているので、それ以降はソニーの巻き返しが期待されます。

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