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電子部品大手、全社増収計画も「スマホブームは必ず去る」(永守日本電産社長)

2015年度の受注は高水準。生産能力増強に動く
 電子部品大手6社の2016年3月期連結業績は、スマートフォン向けを中心に需要が底堅く、15年3月期に続いて全社が増収を予想する。そのため各社そろって設備投資を上積み。村田製作所が過去最大の1500億円の設備投資を計画するほか、ロームルネサスエレクトロニクスから生産設備を買収。スマホ向けの伸びに、自動車や産業機器などが加わり、旺盛な需要に応えることが当面の課題となっている。

 村田製作所の3月末の受注残は1000億円を超えるが、「第1四半期(4―6月)は前年同期比20%の伸び」と村田恒夫社長が話すように、足元の受注環境は高水準なままだ。15年3月期は設備投資を当初計画の800億円から900億円へ増額したが、結局1000億円を超えた。16年3月期も1500億円を計画。積層セラミックコンデンサー(MLCC)は10%、表面弾性波(SAW)フィルターは30%生産能力を高める。

 スマホ市場の拡大に加え、部品点数が多い高速通信「LTE」対応機種が急伸。村田製作所によると16年3月期はスマホ市場が前期比12%増で、そのうちLTEは同42%増を予想。これに車の電装化などが加わり電子部品の需要は底堅い。

 ロームは前期比1・5倍の750億円の投資を計画。30日にはルネサスから滋賀工場の8インチウエハーラインを35億円で16年2月に買収すると発表。タイやマレーシアでの後工程工場の新設に加え、前工程の増強にも乗り出す。

 TDKは「中国スマホ向けにかなりの受注が来ている」(上釜健宏社長)SAWフィルターを中心に増強。15年3月期の1000億円を上回る1300億円の設備投資を計画する。アルプス電気はカメラ用アクチュエーターが中国スマホへ採用が広がる見通しで、前期比160億円増の474億円を計画。「17年3月期の受注を見据え生産能力増強に動く」(米谷信彦専務)。京セラは700億円、日本電産は720億円でともに前期比2割以上増額となる。

 「スマホがどうかは分からないがブームは必ず去る」(永守重信日本電産会長兼社長)とスマホ頼みを警戒する見方もあるが、現時点では強気の見方が大勢を占めている。
2015年05月01日 電機・電子部品・情報・通信面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
中でも村田の利益率が突出している。以前は営業利益率で15%ぐらいが目標としていたが、15年3月期は20%を超えてきて今期はさらに伸びる見通し。その収益率の高さは新製品の売上高比率にある。この比率が高まれば先行者利益を得られる。村田社長は常々40%を目指すと語っている。

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