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ゴーン流「スピード経営」三菱重工やダイムラーの亡霊を排除できるか

 「結果的に安い買い物になった」(日産自動車幹部)。三菱自動車の燃費不正問題は、日産の傘下入りという業界再編に発展した。三菱自への出資で日産は世界トップ3との差を縮め、三菱自は経営危機を当面、回避できる。ただ、不正の全容はまだ解明されていない。「日産との提携で開発部門は変えるきっかけを作れる」(益子修三菱自会長)とする三菱自は、日産の経営を立て直した「ゴーン流」で再建を目指す。

 4月20日に不正問題が発覚した後の大型連休。カルロス・ゴーン日産社長と益子修三菱自会長のトップラインに端を発した資本提携構想が一気に具体化した。益子会長が主要株主である”三菱御三家“からの承認を取りつけ、「原則的な合意に達したのが発表の数日前」(ゴーン社長)だった。

 スピード経営はゴーン流の神髄と言える。ゴーン氏は99年、経営危機にあった日産にルノーから送り込まれた。「当時の日産は火事が起きているようだった。まず火を消さなければいけない。10年先どころか明日のことも考えられない。今だけを考えた」。昨年、社会人講座でこう講釈したことがある。日産の再建も果たしたが、スピード経営はかつてのミシュラン時代から養われていた。
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※日刊工業新聞では「三菱自不正の衝撃」を連載中
 
日刊工業新聞2016年5月16日の記事から抜粋
安東泰志
安東泰志 Ando Yasushi ニューホライズンキャピタル 会長
三菱自動車の企業体質を変えるには、ガバナンスを徹底的に見直すことと、開発現場の運用をダイムラー流のクオリティーゲート方式から日産方式に変えることの2つで、三菱重工やダイムラーの亡霊を排除しなければならない。かなりの作業になるはずだが、ゴーン氏なら出来るかもしれない。

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