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クルマの走行性を改善する「トルセン」を増産 ジェイテクト

欧州高級車で搭載拡大、ベルギーの工場で1割増産
クルマの走行性を改善する「トルセン」を増産 ジェイテクト

トルセンを生産するジェイテクト・トルセン・ヨーロッパ

 【リエージュ(ベルギー)=村上毅】ジェイテクトは欧州でのトルク感応型LSD(差動制限デフ装置)「トルセン」の2016年の生産量を前年比1割増の63万台に設定した。生産量は過去最高を更新する。欧州の高級車を中心にトルセンの採用が広がっており、生産改善や効率的な投資を進め、需要増に対応する。生産拡大を継続して、18年に80万台の生産を目指す。

 ジェイテクトはベルギー現地法人のジェイテクト・トルセン・ヨーロッパ(JTRE)でトルセンを生産する。欧州自動車メーカー向けに製品の設計・開発から製造、販売までを一貫して手がける。生産量は近年、年率10―15%で増加。

 JTREの設備投資、研究開発費などは明らかにしていないが、設備投資は年間で売上高の5―10%、研究開発費は4―5%を充てている。現行品の増産対応に加え、将来の新商品生産に必要となる新工法を両立できる設備なども検討する。複数の生産工程の集約やロボット導入による自動化などにより、生産効率を改善する。また約6割を占める内製化率を見直し、一部の部品製造を外部からの調達に切り替えることで、製品の生産余力を高める。

 トルセンは車体の前・後方にかかるトルクの大きさをセンシングし、力の配分を最適化することで車の作動を制御する特殊な自動車部品。左右への回りやすさや、雪道など滑りやすい路面で走行性を改善する。

 JTREはトルセンを生産する世界3拠点の一つで、元は独ボッシュ子会社だったが、03年に買収した。JTREのジョンルイ・ダム代表取締役は「販売、製品・工程開発、生産の機能が近く、良いアイデアをすぐに反映させられるのが強み。付加価値の高い提案をしていく」と話す。
日刊工業新聞2016年5月13日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
1割と比較的小幅ではありますが増産とのこと。スポーツカーなどでこの製品の搭載が増えているようです。

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