ソニー、今年は画像センサー投資に「異例の規模」!

2900億円は再成長への転換点になるか

  • 0
  • 0
今のソニーを実質的に仕切る会見する吉田副社長㊧
 ソニーの経営が転換点を迎えた。2014年度までに大規模リストラを終了させており、15年度は再成長へのステップの年となる。画像センサーの競争力向上、安定顧客から継続的に収益を得る「リカーリング型ビジネス」を確立できるかがカギを握る。
 
 ソニーは17年度に営業利益5000億円以上を目指す中期経営計画を2月に打ち出した。初年度の15年度をどう位置付けるのか。吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は「目標達成と、それを維持・向上させていくための『投資の年』」と説明する。

 15年度、電子デバイスには「異例の規模」(吉田副社長)という約2900億円を投じる。業界トップの座にあるスマートフォン向け画像センサーを増産し、ライバルを突き放しにかかる。

 また顧客基盤をベースに、コンテンツ提供や周辺製品の販売で継続的に収益を得る「リカーリング型ビジネス」の確立を目指す。ゲームではプレイステーション4の普及拡大や、新しいハードウエアの開発に投資する計画。画像センサーでも完成品や関連サービスを含めて提供する事業展開を模索する。

 ソニーはデジタル機器で、高付加価値路線を鮮明にした。販売規模を追わないこの戦略は、縮小均衡のリスクをはらむ。再成長にはリカーリング型ビジネスの拡大が不可欠な要素になる。

<関連記事>
 ソニーは30日、2016年3月期連結決算(米国会計基準)の当期純損益が1400億円の黒字(前期は1259億円の赤字)になる見通しを発表した。黒字化は3期ぶり。大がかりなリストラは一段落し、構造改革費が減る。事業面では、スマホに組み込む画像センサーが伸びる。15年3月期に11年ぶりに黒字化したテレビ事業も利益を確保する見込み。一方、売上高は前期比3・8%減の7兆9000億円になる見通し。電機部門で、規模を追わずに収益を重視する戦略を徹底する。

 同日、会見した吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は「リストラの大きな部分は終了したが、半分は“病み上がり”の状態」と説明し、16年3月期を再成長のスタート年と位置づけた。構造改革費用は450億円弱(15年3月期は3331億円)の見込み。

 16年3月期は電機5部門のうち電子デバイスが増収増益となる見込み。引き続きスマホ向け画像センサーの販売が伸び、売上高は同16・5%増の1兆800億円、営業利益は同36・0%増の1210億円を見通す。

 課題のスマホ事業は高付加価値モデルへの絞り込み、中国からの撤退などで世界販売計画は同23・3%減の3000万台に留まる。同日発表した15年3月期連結決算は、営業利益が同2・6倍の685億円と伸びた。構造改革の効果が出たほか、画像センサーやゲームが好調だった。

日刊工業新聞2015年05月01日 1/3面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

新たな3カ年計画では最重要経営指標として「ROE」に絞り込み、これを達成できる体制を整えることで、安定して利益を生み出せる企業体質へと変革を進める方針を示したソニー。まぁ、10年以上も業績が低迷していたのだから、それも仕方ない。ソニーの復活はいろいろな角度から検証できる。業績、商品力―。だが、客観的に分析すればするほど、それがささいなことのように感じられる。数字などにこだわらずもっとエモーショナルな価値を提供してほしい。そう思う世代も40以上の人たちがほとんどかもしれない。

関連する記事はこちら

特集