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住宅内の移動を手助けするロボット、積水ハウスとマッスルが来年実用化

住宅内の移動を手助けするロボット、積水ハウスとマッスルが来年実用化

製品化前の試作機を使い住宅内環境で検証

 積水ハウスは2017年内にも、被介護者の住宅内移動を支援するサービスロボットを実用化する。マッスル(大阪市中央区、玉井博文社長、06・6229・9550)と共同でロボ本体を開発。ロボに人を乗せて部屋間を移動できるような住空間を検証し、ロボ導入住宅の規格化も視野に入れる。16年秋をめどに試作機を完成して実証に着手する。

 住宅内で使いやすいようにロボ本体のコンパクト化を進め、ロボに対応した廊下の幅や間取りを検討する。新築住宅のほか、ロボ導入のためのリフォーム提案も企画する。

 ロボ本体はマッスルが開発した「ロボヘルパーSASUKE(サスケ)」をベースに改良する。サスケは被介護者をベッドから車いすに移乗させる作業を支援する介護ロボ。6月からパラマウントベッドが病院や介護施設向けに販売を始める。

 積水ハウスとマッスルは一般住宅にもサスケの普及を狙う。そのため、移乗に加えて住宅用車いすの代替として住宅内の移動用途にも機能を広げる。

 積水ハウスはロボとロボ対応住宅をセットにして顧客に新築やリフォームの営業を構想。マッスルはロボ単体で代理店などを通じた海外展開も視野に入れる。

 介護の現場では被介護者の移乗や移動が、介助者の足腰に大きな負担となっている。特に専門家が常駐しない在宅介護では対応が難しいのが現状だ。各社による移乗支援ロボの開発は進むが、パワーアシストスーツを含めてプロ向けが多い。

 積水ハウスとマッスルは14年春から住宅でのロボ実用化に向けて共同研究を始めた。現在は移乗・移動支援にテーマを絞り、試作機開発と実証環境の検討に取り組んでいる。
日刊工業新聞2016年5月13日 ロボット面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
移動ロボットを住宅に導入するにはかなり大きな家でないと難しいのでは?と思ってしまいます。記事にもありますが、ロボット開発だけでなく住宅関係企業との連携が不可欠になりそうです。

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