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“孤高のホンダ” 今年度の国内生産、3年ぶりに前年超え狙う

81万台に設定。輸出向けに5万台増やす
“孤高のホンダ” 今年度の国内生産、3年ぶりに前年超え狙う

ホンダ寄居工場。左ハンドルの北米向けフィットが並ぶ

 ホンダは2016年度の4輪車の国内生産台数を前年度比6%増の81万台前後とする計画を主要サプライヤーに通知した。前年度実績76万台からの増加分約5万台は、ほぼ輸出向けとなる。実現すれば3年ぶりの前年超えとなるが、依然として低水準が続く。

 ホンダは国内の生産余力を輸出に振り向ける方針をとっており、15年に欧米市場向け小型車「フィット」の生産を日本で始めた。16年度は輸出用のフィットが生産増に寄与するほか、北米市場向けセダン「アコード」のハイブリッド車(HV)の生産も米国から日本に移す。

 一方、国内向けでは16年度発売予定のミニバン「フリード」の全面改良モデルが生産を支える見通し。ただ市場環境は厳しく、国内向け全体の生産はほぼ横ばいと見込んでいるもよう。

 八郷隆弘社長は2月の会見で「3―4年かけて国内生産を90万台半ばにする」と表明。今後、欧州向けスポーツ多目的車(SUV)「HR―V(日本名ヴェゼル)」とSUV「CR―V」も新たに国内で生産する。さらに北米向けのCR―Vと主力車種である「シビック」の国内生産も検討している。

 ホンダの国内生産は統計が残る00年度以降、15年度が最低だった。目標とする90万台半ばへの回復に向け、16年度から反転攻勢をかける。
日刊工業新聞2016年5月12日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
三菱自動車が日産傘下になり、「鷹揚」なトヨタにはSUBARUに、昨年マツダが加わり、近くスズキも陣営に入る可能性が高い。日本の自動車メーカーはトヨタ、日産の2つの大きなグループが誕生する中で、独自路線を貫くホンダ。スケールメリットというハンディをどのような「らしさ」で対抗していくのか。最近は本来のクルマ作りで、エッジの効いた商品や技術がないのが気にかかる。

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