法人需要を狙え!コンビニ各社が安定市場の開拓に動く

店舗は5万店超えで飽和に近づく。

 法人需要を狙え―。大手コンビニエンスストアが法人向け需要の獲得に乗り出している。ファミリーマートはオフィスなどで、サンドイッチやおにぎりの自動販売機設置台数を増やし、セブン―イレブン・ジャパンは法人向け宅配弁当の本格展開を始めた。コンビニはこれまで、個人客が主体だった。今後は収益基盤の強化に向け、安定した需要が見込める法人に照準を定めた商品やサービスが増える可能性も出てきた。

「自販機コンビニ」設置増える


 ファミリーマートはサンドイッチやおにぎり、飲料、菓子などの売れ筋商品を陳列した、いわゆる「自販機コンビニ」の設置台数を増やしている。すでに2015年度(16年2月期)末までに1700台に上っている。

 設置台数全体の多くが、オフィスや工場といった法人との契約が中心だ。商品数は売れ筋を中心にそろえており、陳列数は最大で約60品目。外食に出られない、店舗が遠い、職場を離れられないなど、職場にある自販機には潜在需要があるとみられる。

 同社は今後、サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスとの経営統合によりコンビニの店舗数が増えるが、店舗運営はオーナー側のコスト負担が軽くない。しかし、自販機コンビニはこうした投資リスクを最小限に抑えて導入できる。ファミマはこの強みを生かし、オフィスなどに積極的に提案する見通しだ。

セブン―イレブンは弁当宅配


 一方、セブン―イレブンは弁当や総菜などを個人宅向けに届けるサービスを展開しているが、法人向けにも拡大した。子会社のセブンミールが一部地域で実験を始めていたが、8月までに全店での展開を目指す計画だ。

 商品は法人からの受注をセブンミールがインターネットや電話などで受け、受注先の近くの店舗に商品を集め、店舗が配送する。給食サービスでは弁当以外は頼めないが、顧客はコンビニで扱っている商品も注文できる利点がある。

 コンビニはすでに全国5万店を超えた。一部の大手チェーンを除いて、日販の低下に見舞われるなど競争は激化している。それだけにコンビニにとって”空白地帯“となっている法人市場は成長分野。セブン―イレブンとファミマは法人へのアプローチの仕方は違うものの、大手各社は今後、法人向けの商品やサービス需要の積極的な開拓に動く可能性が出てきた。
(文=森谷信雄)

日刊工業新聞2016年5月10日

森谷 信雄

森谷 信雄
05月11日
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いよいよ大手コンビニが法人に照準を定め始めました。法人との関係を構築することで、今後は弁当やおにぎりだけでなく、次の一手を繰り出してくるのでしょうか。法人に向いてできる物販、サービスは少なくありませんから。

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