目を合わせるだけ―大成建設、除染作業向け生体認証システム開発

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カメラに目を合わせて焦点が合うと、瞬時に本人かどうかを識別
 大成建設は放射性物質の除染関連工事向けに、「虹彩方式」の生体認証を取り入れた作業員の入退場管理システムを開発した。一人ひとり異なる眼球の模様である虹彩で、本人かどうかを高精度で迅速に識別する。入退場管理の効率化に加え、被ばく線量管理の徹底化を実現できる。今後作業が本格化する中間貯蔵施設(福島県大熊町・双葉町)の工事に提案する。トンネルやダムなどの工事でも適用していく。

 虹彩は眼球の黒目のうち、瞳孔の周囲にあるしわ模様をした部分。親子や双子でも異なり個人識別できる。他の生体認証の場合、指紋はすれたり顔は年齢で変わったりするが、虹彩は変化しない利点がある。

 虹彩認証は非接触のため機器が汚れなくてすむ。また、指紋認証では手袋などを外す必要があるが、虹彩認証ではメガネやコンタクトレンズ、作業用のゴーグルを装着したままでも識別できる。

 新システムは、事前に個人の虹彩を登録。作業員は入退場時に線量計をシステムに設置し、虹彩を認識するカメラに目を向ける。

 カメラに焦点が合うと登録されたデータと突き合わせ、本人かどうかを瞬時に識別する。入退場確認にかかる一連の時間は10秒程度ですみ、スムーズな入退場を実現できる。

 虹彩の登録データは、単体では個人の特定が不可能なデジタル情報として保管。情報漏えいがあっても、個人を特定できないようにした。

 除染関連の工事では、作業員の被ばく線量管理が必要になる。大成建設はこれまで、線量計と顔写真付きのIDカードにあるバーコードを読み取り本人確認する入退場システムで管理していた。ただ、IDカードが作業員当人のものであるかを確認する場合、顔写真との整合が必要で時間がかかっていた。

日刊工業新聞2016年5月9日 建設・エネルギー・生活面

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局
記者・編集者

最近はコンサートなどでも本人確認が必要になっているようです。東京五輪に向けても、ID確認システムの確実性と確認スピードの向上が求められそうです。

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