ロボ革命イニシアティブ協、IoTやAI活用しスマート工場実現へ

工作機械中心に加工プロセス向上

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 ロボット革命イニシアティブ協議会(岡村正会長=東芝相談役)は、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)を活用し、工作機械を核とした加工プロセスの向上を図るための基本的考え方をまとめた。工作機械メーカーが顧客に効果的な運用ノウハウを提供する概念「マニュファクチュアリング・サービス・プロバイダー」を設定。その基礎として、IoTやAIを用いた遠隔による予知保全やメンテナンスなどに必要なモデルを作成した。工作機械メーカーに新市場の形成を促す。

 協議会では今回の取り組みを通じ、IoTを用いた「カイゼン現場」の構築など、「スマート工場」の実現を促す考えだ。

 異なるメーカーの機械が混在するユーザー工場に効果的なサービスを提供するには、情報の流れや通信規格、「稼働」「停止」など機械の状態、工作機械内外の情報経路(インターフェース)のモデル化が必要となる。

 このため、切削加工機械のブロック定義や切削加工機械の運用時における状態機械モデル、現在の工場における保守作業のブロック定義、予知保全システムのブロック定義などを示した。

 統合業務パッケージ(ERP)などとの通信に、ISO20242準拠のミドルウエアを推奨するなど、推奨する規格も提示。加工データを加工技術の改善や故障の予兆判断に生かす仕組みも作成した。データは「エッジ」と呼ぶ現場に近いデータベースにため、その一部をAIで処理する構造にした。情報の流れを工場からインターネットへの一方通行にすることを推奨するなど情報セキュリティー対策の一覧も示した。

 経済産業省は4月末に独経済エネルギー省へこのモデルを提示。スマート工場の分野で日独が連携して国際標準化などを進めるためのたたき台にしたい意向だ。

 モデル作成には工作機械各社と日立製作所、三菱電機、富士通、産業技術総合研究所などが参加した。時期は未定だが、同様のモデルをロボットなどにも水平展開する。

日刊工業新聞2016年5月4日 総合2面

COMMENT

八子知礼
INDUSTRIAL-X
代表

日本における工作機械領域の標準化とサービスモデルへの参入にリファレンスモデルが確立されたと言える。イニシアティブ協議会とIVI(Industrial Valuechain Initiative)が連携しながら製造工程の標準化と改善は進むだろうが、それだとIndustrie4.0と互角なので、経産省が先日ドイツと締結した相互標準化への取り決めで補完できる範囲内か。工場の外へ繋がっていくところにも、物流業界や小売業界、マテハン機器業界が相互接続性やデータ連携性を推進することが求められる。

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