「“ロビ2世”開発も」―デアゴスティーニ・ジャパン、ロボットが売れた理由

木村裕人マネージャーに聞く。成功の要因はデザイン

 パートワーク(分冊百科)出版のデアゴスティーニ・ジャパン(東京都中央区、村野一社長、03・6730・7685)が、ロボット事業に乗り出した。毎号付属のパーツを組み立てるとロボットが完成するマガジンシリーズの週刊「Robi(ロビ)」を2013年に発行し、大ヒットを記録。これを受け専門部署を置き、版権ビジネスや次のロボットの出版へ動きだしている。出版を担当した木村裕人マネージャーにロビが社内外に与えたインパクトや今後の展開について聞いた。

 ―ロビは一体どれだけ売れましたか。
 「発行部数は明らかにしていないが、完成したロビが12万体いる。しかも、3年足らずの短期間で3版まで重版していまも売れている。ある程度の売り上げは見込んでいたが、予想以上だった」

 ―ロビが一般の人にロボットを身近にしたと言えます。成功の要因は何ですか。
 「ロボットの出版は5冊目だったのでノウハウがあった。ただ前と違い、より広い層に楽しんでもらいたいのと、コミュニケーションを円滑にしたいという狙いから、独自の世界観を持つロボットクリエイターの高橋智隆氏にデザインを依頼した。女性やロボットに興味のない層に受けたのはデザインがはまったからだろう」

 ―15年6月に新設したロボットの専門部署「コンシューマロボティクスセンター」の役割は。
 「ロビのグッズ販売など版権ビジネスと、ロビに続くロボットの開発を進めている。版権ビジネスでは、タカラトミーから小型のコミュニケーションロボット『ロビジュニア』を昨年発売し5万台のヒットとなった。海外へのライセンス提供や、アニメ化もできれば面白い。企業秘密なので次のロボットの詳細は話せない。だが、ロビと違ったコンセプトのものや“ロビ2世”のようなものの開発プロジェクトは始動している」

 ―次のロボットには人工知能(AI)や最新の技術を採り入れるのですか。
 「ロビもそうだったが、こなれた技術を組み合わせて楽しさを演出する形になる。高度な技術で高コストになっては元も子もない。パーツをそろえて15万円程度の価格は維持する。ロビのときもコストや『驚きを与えられるか』を基準に機能をそぎ落とした。次のロボットもそれらの基準から性能を決めていく」

【記者の目/ロボ社会の理想型に貢献】
 一家に1台というロボットの社会の理想型に貢献したロビ。「ロボットは何でもできる」という幻想を抱きがちの中、愛くるしいデザインとちょっとしたしぐさでロボットと人を近づけた。ロボットの研究開発は技術視点に偏りがちだが、ある程度の水準でもロボットが実社会に出られるというきっかけをロビが与えてくれたのではないか。
(聞き手、文=石橋弘彰)

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日刊工業新聞2016年5月4日

昆 梓紗

昆 梓紗
05月05日
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関連記事にもありますが、2012年から現在までのヤフーで「ロボット」と検索された数がもっとも多かったのが、ロビの登場時でした。一般の人とロボットをぐっと近づける存在だったようです。

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