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《工場夜景#03》北海道室蘭市―光の中に“時代の色”

 北の大地、室蘭港(北海道室蘭市)に夜のとばりが下りる頃、JXエネルギー室蘭製造所(同)では発光ダイオード(LED)の光に照らされ、純白に輝く高さ180メートルの三脚型集合煙突が浮かび上がる。海面には工場群の蛍光灯や水銀灯の光が反射して、きらきらと輝く。煙突から吐き出される蒸気と相まって、幻想的な空間を生み出している。

 室蘭港の産業は1892年(明25)、新日鉄住金室蘭製鉄所の前身である「富士製鐵輪西製鉄所」に始まった。近年では北海道最大の製油所だったJXエネルギーが産業構造の変化によって石油化学製品の製造拠点となるなど、時代の色を映し出す光彩の場でもある。

(文・写真=編集委員・田山浩一)
日刊工業新聞2016年5月3日 総合1面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
室蘭港は明治期の過酷な北海道開拓にはじまり、今に至るまでの工業の歴史を見つめてきたのでしょう。

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