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契約電力の基本料金を下げることができるかも!富士通が分析ツール

ビッグデータをどう価値ある情報にするか。まずグループ60拠点で運用しCO2削減へ
契約電力の基本料金を下げることができるかも!富士通が分析ツール

気温と使用電力の相関分析イメージ

 富士通は電力の基本料金を決める契約電力が適切かどうかを分析できる情報通信技術(ICT)ツールを開発し、5月上旬にグループ60拠点を対象に運用を始める。過去の電力使用データを解析し、電力が最も使われるピーク(最大)を予測し、契約電力との差を分析できる。適切な契約電力を自動で選ぶ機能もあり、各拠点での二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげる。

 30分単位の使用電力の実績と気温から、1度C変わると使用電力が何キロワット変化するといった解析をする。変化が大きければ建物の断熱性を高める対策を検討する。一覧表示して拠点同士を比較し、省エネルギー施策を強化する拠点を見つけ出せる。

 解析から次年度のピークを予測し、ピークに見合った契約電力や料金プラン、コスト削減効果を拠点別に導き出す。結果は電力会社との契約更新1カ月前に担当者宛てにメールで送り、見直しを検討してもらう。

 日常的な運用にも機能を活用する。予測した翌日のピーク発生時間を前日10時に連絡し、担当者が余裕を持ってピークカット対策を準備できるようにする。契約電力の分析機能は、各拠点の電力データを収集、解析するツール「環境経営ダッシュボード」に追加した。ツールは外販しており、新機能も外販を検討する。

 富士通は2018年度までに事業活動で発生するCO2を13年度比5%以上削減する環境目標を策定した。契約電力に着目した分析でCO2削減の余地を発見して目標を達成する。実際のピークより高い数値で契約電力を結んでいる拠点は、見直しによって基本料金が下がる。
日刊工業新聞2016年4月28日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
エネルギー使用実績を収集し、時間別、日別、月別などのグラフにする仕組みは整いました。現在も多くの企業がエネルギー管理として採用していると思います。次は、集めた電力ビッグデータをどう価値ある情報にするのか、です。分析・解析の能力によって、省エネやCO2削減に差がつきそうです。

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