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「迷い箸」や「刺し箸」を測るウエアラブル。リハビリ向けに提案

東京工科大が腕時計型を開発。3年内の実用化を目指す
「迷い箸」や「刺し箸」を測るウエアラブル。リハビリ向けに提案

手にウエアラブル端末を付けて皿から皿に豆を移す

 東京工科大学コンピュータサイエンス学部の松下宗一郎教授らは、箸の使い方の習熟度を計る腕時計型ウエアラブル端末を開発した。端末に搭載した高感度加速度センサーとジャイロセンサーで、手の動きを計測する。手のリハビリテーションの効果測定に提案する。1年内に現場での検証に着手し、3年内の実用化を目指す。

 箸を使って豆を皿か皿へ移す際の、手首の動きを計測した。箸使いがうまければ、手が滑らかに動くため加速度変化が小さくなる。加速度変化の総量を基に箸使いのレベルを5段階で判定する。実験では箸使いを目で見て判定した習熟度と、加速度から判定した習熟度のレベルが一致した。

 リハビリなどで徐々に箸使いが回復していく様子を数値管理できる。見た目だけで習熟度を判定すると、評価者の主観が入ってしまう。皿から皿に移した豆の数を数えても、普段の食事と動作の質が違うという問題があった。

 食事の際、どの料理を取ろうかと迷って箸をあちこちに向けて動かす「迷い箸」や、箸を料理に突き刺してしまう「刺し箸」の動きについても検出できる。研究グループは新開発のウエアラブル端末について、訪日外国人が箸の使い方やマナーを習得する際のツールとしても利用可能とみている。
日刊工業新聞2016年4月29日
中島賢一
中島賢一 Nakajima Kenichi
ユニークな端末で、外国人のマナー習得にも転用できるとのことだが、正しい箸の持ち方までを計測したいところ。この先にさらに改良されることを期待したい。

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