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いすゞはインドでピックアップトラックの新市場を開拓できるか

年5万台体制目指し販売網を拡充
いすゞはインドでピックアップトラックの新市場を開拓できるか

インドの新工場でピックアップトラックの生産を開始(アンドラ・プラディッシュ州スリシティ工業団地)

 【印チェンナイ=西沢亮】いすゞ自動車はインドでピックアップトラックの販売体制を拡充する。スポーツ多目的車(SUV)と合わせ2015年度に1455台の販売実績に対し3―4年後をめどに年5万台を目指し、それに合わせ現状26―27の販売拠点を同120―180拠点規模に増やす計画。現在チェンナイにある整備担当者の教育施設をデリーなどに広げ、補修部品の供給拠点の開設も検討。ネット通販や冷蔵品の配送など時間の正確さや物流の「品質」が求められる新たな市場を開拓する。

 インドではネット通販や冷蔵品の配送の拡大が見込まれ、物流会社は荷主から指定された時間に的確に届けるなど「『物流品質』が求められ始めている」(いすゞの片山正則社長)という。

 販売網の拡充で、耐久性や動力性能が高い同社のピックアップトラックが、現地の道路や配送事情に対応できることを訴求。品質が求められる物流分野を開拓し、顧客とともに成長することを目指す。また整備担当者らの教育を充実し、補修部品の供給体制を整備。車が故障した場合に迅速に対応し、稼働を支える体制も整える。

 いすゞは27日に同国南部でピックアップトラックの生産工場を開設。外資系メーカーとして初めて現地生産に乗り出し、5月に新型車「D―MAX」を販売する。同じ車格のピックアップトラック市場は20万台弱で、地場メーカーが市場の大半を占める。

 新型車は競合他社と比べ性能や価格が上位に位置し「市場(いちば)での利用など一般的な使われ方とも異なる」(片山社長)とみる。いすゞモーターズインディアの山口真宏社長は「地場メーカーと真っ向勝負するのではなく、新たな市場を大事に育てたい」とし、長期的な成長を目指す意向を示した。
日刊工業新聞2016年4月29日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
タイなどでは「D―MAX」で強さを発揮するいすゞだが、インドは一筋縄ではいかないだろう。地域によって消費動向や法制度、人脈のつながり方もバラバラで、ローカルの有力者とどれだけつながることができるかがカギになる。

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