電子部品「1兆円企業」続々。日本電産に続きTDKも!完全なる成長局面に

30日決算発表の村田も確実。アイフォーン、中国スマホ、車載も伸びるが収益格差も

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TDKの上釜社長(左)と村田製作所の村田恒夫社長
 TDKが28日発表した2015年3月期連結決算(米国基準)は、スマートフォンと自動車向け部品がけん引し、売上高が前期比10・0%増の1兆825億円と初めて1兆円を超えた。営業利益も同97・9%増の724億円と伸長した。上釜健宏社長は「1兆円達成は節目として素直に喜びたい。受動部品事業など主要3事業の収益バランスが改善した」と業績が成長局面に入ったことを強調した。

 16年3月期は売上高が同9・0%増の1兆1800億円、営業利益は同31・1%増の950億円になる見通し。前期に続き、スマホ向け高周波部品や二次電池が伸び、車向けのコンデンサーなどが堅調に推移する。

 また同日、18年3月期に売上高を1兆3000億円以上、営業利益を1300億円以上に引き上げる3カ年の新中期経営方針を発表した。車や産業機器向けのセンサーなど新規事業の売上高を1000億円(15年3月期は約100億円)以上にするほか、株主資本利益率(ROE)、営業利益率ともに10%以上の達成を目指す。3年間で設備投資は3500億―4000億円、研究開発に約2300億円を投じる。注力する車向け事業は売上比率を30%(15年3月期は17%)にする方針。達成に向け「M&A(合併・買収)を検討したい」(上釜社長)とした。
(日刊工業新聞2015年04月29日 電機・電子部品・情報・通信面)

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 電子部品5社の2015年3月期連結業績予想は、スマートフォンなどの部品需要が好調で全社が増収増益を見込む。京セラを除く4社が上方修正し5社の営業利益の合計額は初めてリーマン・ショック前の08年3月期を2割超上回る。米アップルが昨年発売したスマホの新モデル「iPhone(アイフォーン)6」などの伸びや円安の進行が業績を押し上げる。来期はアップル向けが落ち着き、中国メーカー向けスマホの部品需要が一段と伸びる見通し。各社はすでに来期のスマホビジネスに照準を合わせる。

 「売上高は待望の1兆円を超える」。村田製作所の藤田能孝副社長は通期の業績について力強く語る。各利益項目は「ITバブルの01年3月期以来14年ぶりに最高額を更新する」(藤田副社長)と視界は良好だ。

 15年3月期はアイフォーン6、同6Plus(プラス)の世界販売台数が例年を上回る勢いで伸び、積層セラミックコンデンサーやコイル、通信デバイスなど各社の部品供給量が大幅に増える。スマホ向けは足元も堅調。アルプス電気の米谷信彦専務は「例年と比較し、15年1―3月期は受注の落ち込みが少ない」とする。生産調整といったリスクはなく着地する見通しだ。

 16年3月期もスマホ向けの部品ビジネスは各社にとって重要な収益源になりそうだ。特に各社が重要視するのが中国スマホ向け部品需要。中国で高速無線通信「LTE」対応端末が一段と普及し、表面弾性波フィルターなど通信デバイスの需要が大きく伸びる。特にアイフォーン6が中国市場でも売れたことで、大画面・薄型といった高機能化やデザイン重視のトレンドが中国スマホにも浸透。日本の部品各社が強い小型・薄型といった、付加価値の高い部品の拡販が期待できるためだ。

 これに加えてシャオミなど、中国スマホメーカーがインドや東南アジアなどに端末を輸出して販売台数を伸ばそうしている動きも、日本の部品メーカーの存在感が高まる素地として見逃せない。TDKの桃塚高和執行役員は「今後も中国スマホはまだまだ伸びしろがあり、しっかりキャッチすることがスマホビジネスを拡大するカギになる」と強調。村田製作所の藤田副社長も「これからスマホ向けは中国が主体となって伸びてくる」と市場の流れを見通す。

 16年3月期のスマホ市場は前期に比べ伸びは鈍化するものの、引き続き成長を維持する見込み。また高機能化が進むことが確実で、内蔵する部品点数が増えるとともに、好採算の高機能部品の需要増が期待できる。日本の部品各社は中国を軸に、確実にスマホ向けビジネスを伸ばす考えだ。

日刊工業新聞2015年02月02日 電機・電子部品・情報・通信面

COMMENT

明豊
執行役員 DX担当
デジタルメディア局長

やはり電子部品は日本の製造業の中でも素材ともに世界で勝負できる分野。車載向け電子部品市場は、大手から中堅・中小メーカーが入り乱れた顧客獲得競争が繰り広げられる。モジュール化が進む可能性が高く、M&Aが活発化しそう。

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