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IHIと三菱電機、航空エンジンの羽根を5倍"強く"する技術を開発

「777」向けの米GE製エンジンに採用
IHIと三菱電機、航空エンジンの羽根を5倍"強く"する技術を開発

GE90エンジンを搭載したボーイング777(ボーイング提供)

 IHIは、三菱電機と共同開発した放電表面処理技術(MSC)が、米ボーイングの「777」用エンジン「GE90」の部品に適用されたと発表した。同エンジンの中核部品である低圧タービン6段ブレードの6段目に適用される。MSCを施すことで、耐摩耗性が従来比で約5倍高まるという。すでに稼働するGE90の修理の際にMSCを施すほか、今後生産する部品にも適用する。修理では米ゼネラル・エレクトリック(GE)に対し、MSCをライセンス供給する。

 MSCは放電加工による皮膜生成技術で、安定的に耐摩耗性・耐熱性に優れた機能性皮膜を形成できる。三菱電機が開発した専用の放電表面処理装置は、容易に生産ラインに組み込める。GEに対し三菱電機が同装置を納入するほか、IHIは治具やコーティング用部材の供給、技術指導を行う。

 IHIは相馬第一工場(福島県相馬市)で、MSCの受託加工を開始。表面処理装置2台や装置向けの電極を製造する焼成炉を追加投入した。GEや低圧ブレードの製造を担当する伊アビオエアロから、MSCの加工を請け負う。
日刊工業新聞2016年4月22日付 機械・航空機面記事
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
タービンブレードとはエンジン内部のいわゆる「羽根」です。ここの耐摩耗性を5倍に高める技術をIHIと三菱電機が開発し、GEにライセンス供与するとのことです 。 これにより羽根の修理周期が長くなったりするのでしょうか?

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