「ドイツは4.0なのに日本はもう5.0なのか」-経済界が伊勢志摩サミットの前哨戦

機動的な財政政策求め、「ソサエティー5.0」の概念も披露

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会見する榊原経団連会長(左から2人目)ら各国の経済団体トップ
 5月の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)を前に、参加国の経済界トップが一堂に会する「G7ビジネス・サミット」(B7東京サミット)は21日、機動的な財政政策や鉄鋼をはじめとする新興国の過剰生産問題への対応を各国政府に求めることなどを盛り込んだ共同提言を発表して閉幕した。経済界としての対応を安倍晋三首相に提言し、伊勢志摩サミットの議論に反映させる狙いだ。

 2008年以来2回目の日本開催となった今回は各国の構造改革のほか、世界的な貿易や投資ルール確立に加え、初めてデジタル革命が主要議題となった。サイバーセキュリティー対策で官民挙げた国際連携を推進することや、ビッグデータなど情報を公平に利活用するための環境整備の必要性を提言。このなかで、日本は超スマート社会の実現へ向けた日本発の新たな概念である「ソサエティー5・0」を披露した。

 経団連の榊原定征会長は「世界経済の先行きが不透明な今こそ、基本的な価値観を共有し、世界のGDP(国内総生産)の半分を占める主要7カ国(G7)が財政出動も含めたあらゆる政策を総動員し、主導的な役割を果たしていかなければならない」と枠組みの意義を強調した。

 来賓の安倍晋三首相は「経済界の皆さんが互いに競争し、切磋琢磨(せっさたくま)する中で、イノベーションを起こす以外、持続的な成長を実現する道はない」と述べた。

 ビジネスサミットは07年のサミット開催国だったドイツ産業連盟の呼びかけで創設。経団連や全米商工会議所、ビジネスヨーロッパなどが参加している。

日刊工業新聞2016年4月22日

COMMENT

神崎明子
デジタルメディア局
編集委員

財政や新興国の過剰生産問題へといった喫緊の課題に加え、ホスト国である日本が今回、とりわけ力を入れていたのが、超スマート社会の実現。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といったイノベーションを社会課題の解決に広く活用する「ソサエティー5・0」という新たな概念を披露し、各国に理解を求めました。 討議後の記者会見では「インダストリー4・0」の発祥の国であるドイツの経済団体トップがユーモア交じりにこんな風に発言しました。「ドイツは4・0なのに日本はもう5・0なのか」。

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