キヤノン傘下入りの東芝メディカル、“垂直立ち上げ”へ専門組織

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東芝メディカルは18年度にコンピューター断層撮影装置で世界首位を目標に掲げる
 キヤノン傘下に入る東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市、瀧口登志夫社長、0287・26・6211)は、キヤノンと医療機器事業の統合効果を検討する社長直轄の専任組織を発足した。現在、国内外で統合に伴う独占禁止法の審査が行われており、両社は具体的な協議を控えている。先行して社内での準備を進め、早期のシナジー(相乗効果)創出を目指す。

 発足したのは統合準備プロジェクト「パスファインダー」。名前に「統合の道筋をどうつけるかを考える」との意味合いを込めた。

 キヤノンの公開情報を基に、キヤノンと自社の技術や製品・サービスをどう結びつけると効果が高いかなどを評価。その上で医療機器の生産や販売、海外展開など各方面で最適な統合スキーム(枠組み)を検証する。同プロジェクトには専任者2人、兼務者2人を置き、今後、順次増員し、検討を加速する。

 キヤノンと東芝は3月、同社子会社の東芝メディカルの全株式をキヤノンに売却する譲渡契約を締結。国内外での承認を得て、東芝メディカルはキヤノンの子会社となる。瀧口登志夫社長は「今後のスケジュールは白紙。今は両社で何も話せない状況だが、それでは時間がかかる。話ができるようなってから、すぐに提案できる準備をする」としている。

 東芝メディカルは2018年度に売上高5000億円、コンピューター断層撮影装置(CT)で世界首位を目標に掲げる。

 瀧口社長は「各事業でやるべきことを確実に実行する。足し算するとそういう姿になる」と強調。その上で「キヤノンには魅力的な機能、実績がある。我々の中でどう活用できるかを考えるとワクワクする。新たな価値を生むことができる」と期待感を述べた。

日刊工業新聞2016年4月21日

COMMENT

村上毅
編集局ニュースセンター
デスク

今年3月に“決着”した東芝の医療機器子会社、東芝メディカルの売却問題。キヤノンへの売却と、売却資金を得た東芝が危機的な状況から脱したことで、なんとなく一服感が漂う。事実、独占禁止法の審査もあって、夏頃までは両社で具体的な話し合いができない状況だ。だが「それで良いのか」というのが瀧口社長の考えだ。シナジーを早期に、そして最大化するスキームは何か、いろいろなケーススタディーが始まっている。

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