当期利益1.2兆円超へ…三井住友FG、法人提案力底上げ
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、2026年3月期連結業績の当期利益で当初計画の1兆1000億円台半ばを上回る1兆2000億円以上を目指す。株主資本利益率(ROE)は8%以上の達成を見込む。国内の個人向け事業、法人ビジネスを伸ばし、海外も米国やアジア新興国で事業を拡大する。低採算資産の削減なども実施し、資本効率も向上させる。
25年3月期連結業績の当期利益予想は1000億円上方修正して1兆1600億円を見込む。24年4―9月期だけで政策保有株式などの売却益約3000億円を計上したことが大きい。26年3月期は株式売却益が前期比で減少しても増益を確保する計画だ。
個人向けは銀行口座、カード決済、融資、証券、保険などの機能がアプリで一体となった金融サービス「Olive(オリーブ)」を中核に据える。パートナー企業との提携拡大で利便性を高める。
今後はオリーブとウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)ビジネスを融合させるため、銀行、証券、信託銀などグループの連携を強化する。オリーブは24年度中に黒字化を実現できる見込みで、27年度に400億円超の収益貢献を見込む。
法人向けは大企業の旺盛な資金需要に応えるため、顧客ごとの業界動向や戦略をふまえた提案力に磨きをかける。フロントの営業とコーポレートアドバイザリーや調査部門、証券アナリストなどグループの横の連携を深める。海外拠点や提携先の米証券会社ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのネットワークも活用する。
中小企業向けはデジタル技術を活用した決済プラットフォーム(基盤)を25年度から提供する。決済を起点に業務のデジタル変革(DX)を支援し、経理事務の合理化につなげる。資本提携先のインフキュリオン(東京都千代田区)と共同で構築する。
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