【熊本地震】三菱電機のパワー半導体工場、連休明けから再開

半導体業界、復旧が想定より早く進む

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 熊本地震で被害を受け工場を停止していた半導体各社で、復旧が想定以上の早さで進んでいる。三菱電機は21日、熊本県合志市のパワー半導体工場の一部生産を5月9日に再開する予定だと発表した。25日に生産再開見通しを公表するとしていた東京エレクトロンは、当初見通しより早い25日から熊本県合志市の生産拠点を段階的に稼働させる計画だ。ルネサスエレクトロニクスも22日に熊本市のグループ工場で稼働を一部再開する。

 三菱電機は同菊池市の液晶工場でも生産再開に向けた作業を始めており、月末までに再開見込み時期を示す。東京エレクトロンはまずは生産子会社の東京エレクトロン九州(熊本県合志市)の主力工場である合志事業所(同)の復旧に集中。21日は作業に携わる社員が出社した。

 同事業所では半導体製造装置や、フラットパネルディスプレー製造装置を生産する。25日から段階的に生産を再開し「徐々に通常稼働に近づけていく」(広報担当者)方針だ。一方、大津事業所(熊本県大津町)では確認作業を続ける。

 ルネサスエレクトロニクスは当初、生産子会社ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリングの川尻工場(熊本市南区=写真)の生産再開日程を21日に公表するとしていたが、20日に前倒しして、22日に再開する方針を示した。ルネサスは工場が大きな被害を受けた東日本大震災を経てより強固な事業継続計画(BCP)を策定した。今回はBCPが機能し、早めの復旧につながったようだ。

 一方、ソニーの生産子会社ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(熊本県菊陽町)は熊本テクノロジーセンター(同)の稼働再開に向けた確認作業を続けている。同拠点では画像センサーを手がけている。

 半導体は種類によって生産プロセスに差がある。このため「装置の条件設定が複雑なラインの場合は、通常稼働までにある程度の時間がかかるのではいか」(半導体装置メーカー関係者)との声もある。

日刊工業新聞2016年4月22日

COMMENT

後藤信之
編集局ニュースセンター
副部長

導体関連企業で生産再開の動きが広がってきました。このまま余震が落ち着けば、通常稼働に向けた取り組みが加速しそうです。懸念はサプライチェーンへの影響です。仮に円滑なサプライチェーンを阻害するボトルネックが生じている場合、今後、影響が顕在化する可能性があります。各社の懸命な復旧作業は続きます。

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