拠点新設、「近接」4割…日商の投資動向調査が明らかにしたこと
日本商工会議所が実施した「地域経済を牽引する中堅・中小企業における投資動向調査」によると、今後5年程度で拠点の新設・拡張・移転を計画または検討している企業の立地先の選定理由(複数回答)は「本社・その他自社拠点との近接性」が40・1%で最多だった。続いて「交通アクセス」が22・3%、「用地のスペック(面積、周辺環境への配慮など)」が21・3%、「取引先との近接性」が16・6%となり、本社や拠点、取引先との近接性を重視する企業が多かった。
こうした地理的条件の回答のうち5位は「事業インフラ(工業用水、電力、ガス、通信)」が12・9%、6位は「災害リスクの少なさ」が11・6%だった。過去約5年の投資理由調査比でそれぞれ6・2ポイント、4・1ポイント増え、拠点新設時に事業インフラ整備や少ない災害リスクのニーズが高まっている。
また、立地先の選定理由のうち経済・社会環境では、「従業員の生活環境(居住・商業機能など)」が13・2%で最多だった。3位は「雇用環境(人材確保の容易さ)」が9・1%となり、人手不足を背景とした人材の確保・定着に関するニーズも根強い。
サポートでは「自治体による助成」が7・8%、「産業ビジョン、地域経済牽引事業計画等による支援」が6・3%、「窓口・相談体制の充実」が4・7%の順だった。
同調査は9月2日―10月4日に経済産業省が認定した地域未来牽引企業などの中堅・中小企業を対象に実施、684社が回答した。業種比率は製造業が64・4%、サービス業が11・7%、建設業が8・2%など。従業員数は0―100人が35・6%、101―300人が42・0%、301人以上が22・4%。
日刊工業新聞 2024年12月27日