半導体向けガス増産へ…住友精化、来春千葉で1.5倍
住友精化は2025年4―6月をめどに、フラッシュメモリーなどの半導体製造工程で使う材料ガスのジボラン(B2H6)の生産能力を引き上げる。千葉工場(千葉県八千代市)で生産のボトルネックとなっていた後工程の設備を追加し、生産能力を50%増やす。人工知能(AI)データセンター向けのNAND型フラッシュメモリーやDRAMの需要が戻ってきていることを踏まえ、生産能力の増強で対応する。
今回の生産増強にかかる投資額は明らかにしていない。ジボランはp型半導体を作る際に、シリコン単結晶にホウ素をドーピング(拡散)する工程で使われる。
住友精化はメモリーの製造に多く使用される半導体用ガスの一酸化炭素(CO)についても、23年に韓国子会社の住精ケミカル(ソウル)の長安工場に新工場棟を新設。生産能力を22年比約50%増やしている。
COは日本国内から輸出していたが、半導体需要が回復基調にあることから、23年にCOガスの現地生産を始めた。消費地の近くで安定供給できる体制を整えることで、事業継続計画(BCP)対策にも生かす。
住友精化は半導体用ガスで、24年度に23年度比20%程度の増収を見込む。半導体用ガスを含む機能マテリアル事業の24年3月期売上高は362億円。
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日刊工業新聞 2024年12月24日