試験人員7割削減…鹿島、ダム堤体工事の締め固め効率管理
鹿島は19日、ダム工事で使う堤体材料「CSG」の締め固め品質管理で、従来法と同等の精度で試験業務の人員を約7割削減できる「Geo―DX Compaction」を開発したと発表した。地盤の電気抵抗を利用し、現場密度を算出する。秋田県東成瀬村の成瀬ダム堤体打設工事に導入し、施工面全域の現場密度の可視化を実現した。
試験対象の地盤で四つの電極を取り付けた計測装置をバギーでけん引し、地盤の電気抵抗を連続計測して現場密度を算出する。これにより広域で面的なデータをリアルタイムに取得できる。計測深度は電極間隔を変えることで自由に調整可能だ。
成瀬ダムでは計測深度が75センチメートルとなるように電極間隔を調整し、同手法による締め固め品質管理を実施した。その結果、従来法では試験孔の削孔などに試験員3人を要していたのに対し、新手法は計測装置をけん引するバギーの運転者1人に削減できた。連続計測した地盤の電気抵抗を基に、施工面全域における締め固め品質の面的管理も実現している。
今後は自走式バギーの導入などにより計測の自動化を目指す。造成工事などダム以外の工事にも展開していく考えだ。
日刊工業新聞 2024年12月20日