2重反転プロペラ採用…ワインデング福島、水中ドローン用スラスター開発
姿勢・位置の安定性向上
ワインデング福島(福島県南相馬市、清信正幸社長)は、水中ドローン用の2重反転プロペラスラスターのプロトタイプを開発する。プロペラ回転の反対方向に発生するカウンタートルクを2重反転構造で相殺し、ドローン本体の回転や揺れを防止して姿勢・位置の安定性を高める。50ワットから5・5キロワットまでの出力帯のモーターを使う。2025年度から量産する計画。
2重反転プロペラは高効率だが、反転機構を持つため構造が複雑で、サイズも大きくなる。そこで、一般的なラジアルギャップモーターに比べてローターが扁平で薄いアキシャルギャップ構造のモーターを利用し、反転部を含めた構造を小型化する。
アキシャルギャップモーターは一般的なラジアルギャップモーターと比べてトルクの弱さが弱点のため、高効率のコア材を採用してツインモーター向けのツインローター仕様とする。2重反転プロペラの採用でドローン本体のローリングを抑え、制御もシンプルにできる。
ステンレスフレームにより、防水、耐塩防錆構造とし、推進力はプロペラ1基に比べて約10%の向上を見込む。手動運転、自動運転のいずれの水中ドローンにも適用する方針。
ワインデング福島は高推進水中モーターを開発し、内外のドローンメーカーへの供給を目指している。国内で増加が見込まれる浮体式風力発電などの建設やメンテナンスに使用するドローンの需要にも応えていく。
日刊工業新聞 2024年12月10日