14年ぶり交代、オリックス新社長の社内評
オリックスは9日、高橋英丈取締役兼専務執行役(53)が2025年1月1日付で社長兼グループ最高執行責任者(COO)に昇格する人事を発表した。井上亮社長兼グループ最高経営責任者(CEO、72)は代表執行役会長兼グループCEOに就く。社長交代は14年ぶり。主力の環境エネルギーや事業投資などの分野を長年けん引してきた高橋氏を社長に据え、自社グループの成長につなげるとともに、経営の若返りを図る。
9日の会見で高橋氏は「国内外で培ってきた経験、知見を生かし、これまで以上にオリックスグループがユニークで新しい価値を社会に提供し続けられるようにしたい」と意気込みを語った。
井上氏は社長交代の背景を「会社の業績が良いタイミングに(バトンを)渡すのが良いと判断した」と説明した。グループCEOの続投については「徐々に(経営のかじを)渡していくのがあるべき姿。(今は)あと1年ほどはこのままで良いかと考えて(グループCEOの継続を)決めた」。
【略歴】高橋英丈氏 93年(平5)慶大経済卒、同年オリックス入社。20年執行役、22年常務執行役、24年専務執行役、同年取締役を兼務。神奈川県出身。
素顔/オリックス社長に就任する高橋英丈(たかはし・ひでたけ)氏/強い意志持ち、やりきる
「あまり物怖じしない性格で胆力がある」との社内評。「戦略思考を持ち、ストイックで知識欲がとても強い」との声もある。自身は「継続は力なり」を座右の銘とし、「何事も簡単にあきらめず、粘り強く、強い意志を持ってやりきることが信条」だ。
法人営業を振り出しに、不動産ファイナンス、事業投資など幅広い領域に携わった。再生可能エネルギー事業の立ち上げ、傘下の大京の事業再構築、スペインで再生エネ事業を手がけるエラワンエナジー(マドリード市)の買収なども主導。こうした経験を通じ、経営や各事業の専門性を磨いてきた。井上亮社長は高橋氏を「仕事が緻密で、バランス感覚がある」と評価する。
趣味は早朝のランニング。約15年前から月に120キロ―150キロメートルほどを走る。フルマラソン大会も年に1、2回参加し、ベストタイムは3時間23分。スポーツで培った体力や忍耐力を経営に生かす。(石川雅基)