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トヨタ紡織、クルマの知見で映画館用シートをプレミアムに

 「ほかにはない、すてきな『プレミアムシート』ができました」。トヨタ紡織がデザインに参画した映画館用上級シート(写真)が完成した。自動車用シート大手の同社が映画館用シートに携わるのは初めて。車用の知見も織り込み快適性を追求した。

 新シートは名古屋市中村区に建設中の複合ビル「シンフォニー豊田ビル」に7月15日にオープンする映画館「ミッドランドスクエアシネマ2」に採用された。全7スクリーンに計77席導入される。

 映画館用シートを手がけるコトブキシーティング(東京都千代田区)のシートをベースに、トヨタ紡織グループがデザインや素材開発で加わった。サイドパネルを合わせた幅は90センチメートルと広く、シート横に荷物を置けるスペースも設けた。

 アームレストの肘が当たる部分は、まさに「車用の知見を入れた」(茶座聖始トヨタ紡織内外装先行開発部企画・戦略G主任)というウレタン二重構造。1層目は柔らかく、2層目は硬めにすることで心地よい感触を目指した。

 最近、新幹線や航空機のシートに参入を果たしたトヨタ紡織。映画館用については本格展開は考えていないが話が持ち込まれたら「その都度、検討したい」(同)としている。
日刊工業新聞2016年4月20日自動車面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
映画館のイスの座り心地がとても重要。ただあまり心地よすぎると眠ってしまうかも。

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