中国苦戦で業績予想の当期利益72%減…資生堂、ブランド再構築
資生堂は事業基盤の再構築に向けた2年間の経営戦略「アクションプラン 2025―2026」を策定した。「ブランド力の強化」と「高収益構造の確立」を柱に据え、変化が激しい市場でも安定的に利益を拡大できる体制を整える。ブランドの選択と集中を進めるほか、苦戦する中国でのマーケティング戦略を見直す。2026年12月期にコア営業利益率7%(24年12月期見込みは3・5%)の実現を目指す。
資生堂は中国事業とトラベルリテール(空港・市中免税店での販売)事業が低迷している。11月には24年12月期の連結業績予想を下方修正し、当期利益を前回公表比72・7%減の60億円(前年比72・4%減)とした。
こうした状況を受け、2月に発表した中期経営計画ではコア営業利益率を24年12月期に6%、25年12月期に9%に設定していたが今回、引き下げた。
藤原憲太郎社長は「厳しい現状を踏まえ、聖域なき改革に挑む」と語った。中国事業とトラベルリテール事業は、中国市場のマイナス成長を見込みつつ、「過度な目標は立てず、マイナス成長を軽減できるようにする」(藤原社長)方針を示した。
中国では収益性が低い店の撤退などに加え、現地ニーズを迅速に反映するための部署を新設した。価格競争が厳しくなる中で現地メーカーに対抗できるようにし、生活者の変化に応じたブランドポートフォリオを構築する。
マーケティング投資を2年間で300億円追加する。同投資の8割超を三つのコアブランドと成長が見込める五つのブランドに集中投資する。その他のブランドについては「成長性が見込めなければ早期に撤退する」(同)とした。
日刊工業新聞 2024年12月02日