水素動力車両走行へ…JR東海、ハイブリッドシステム試作
JR東海は開発を進めている水素動力車両について、水素ハイブリッドシステムの試作機を完成した。産業用のディーゼルエンジンをベースにi Labo(東京都中央区)が開発した水素エンジンと、JR東海のHC85系で使用している発電機や車両制御装置、蓄電池を組み合わせた。小牧研究施設で水素ハイブリッドシステム単体の性能評価試験を実施し、2025年に模擬車両と組み合わせた走行試験に着手するなど検証を続ける。
JR東海の非電化路線には、山間部の連続する勾配を走行できる高い出力と、長距離走行可能な高効率の駆動システムが必要となる。JR東海では水素エンジンを鉄道車両に適用するため、エンジンが一定の回転数で動作できるように水素エンジンを改良。また車両制御装置は、加速時や勾配区間走行時などの負荷状況に応じて水素エンジンと蓄電池の出力を最適化することができるようにした。
水素動力車両の開発では、動力源として燃料電池と水素エンジンの開発を進めており、このうち燃料電池ハイブリッドシステムについては23年度から模擬走行試験を実施。水素ハイブリッドシステムは24年度から開発を進めており、試作機を完成した。
日刊工業新聞 2024年11月29日