ゴミ焼却で発電した電力でEVゴミ収集車動かす
JFEエンジが川崎市と実証
JFEエンジニアリング(東京都千代田区、狩野久宣社長、03・6212・0800)と川崎市は、電気自動車(EV)型ゴミ収集車の電源をゴミ焼却プラントで発電した電力でまかなう循環型ゴミ収集の実証実験を始めた。走行中の二酸化炭素(CO2)排出がないEVの特性から一歩踏み込み、電力源にも再生可能エネルギーを用いるゼロ・エミッション(廃棄物ゼロ)システム「Zero E」を確立。日本初の試みとなる。2018年度の市場投入を目指し、20年度に100億円規模の事業に育てる。
「20年の東京五輪の時には、全世界の方々にわが国の最先端環境技術として広くPRしたい」―。狩野社長の言葉からも、期待の大きさがうかがえる。実証はゴミ焼却施設の川崎市浮島処理センター(川崎市川崎区)を実験場所とし、日程は17年3月31日までの約1年間を計画する。
浮島処理センターの廃棄物発電から得た電力を、電池ステーションに送電。ここにはEV収集車に搭載する着脱式のリチウムイオン二次電池が格納され、随時充電される。収集車がステーションに入ると、フォークリフトのような運搬システムが電池を自動で収集車に積載する仕組みだ。
最大の訴求点は、収集事業のゼロ・エミッション実現とともに、「災害発生時には非常用電源の役割を果たせること」(能登隆常務執行役員)。ゴミ焼却施設が稼働していれば、常に電力を供給できる。「平常時と非常時利用の二面性を持たせることで、導入のハードルも下がるだろう」と期待する。
電池ステーションのサイズは幅9500ミリ×長さ5500ミリメートルほど。最大5個の充電池を設置できる。充電時間は8時間で、電池の交換時間は3分30秒。能登常務は「市場投入の際にはステーションの小型化が重要」とし、省スペース化で導入を容易にする考え。
普及への課題となるコスト面については、「イニシャルとランニングコストを従来のディーゼル車と同等にする」(同)ことで、解消する考え。一般的なディーゼル収集車の買い替え期間は10年ほどと言われる。同社がターゲットとする小型2トン車は3万台が走行。毎年3000台の更新需要があり、「このうち半分ほどのシェア獲得を狙う」(同)。
実証では車両や機器の動作、実際の収集活動による運用上の確認のほか、非常用電源としての活用試験を行う。能登常務執行役員は「同システムは廃棄物発電に留まらず、太陽光や風力など不安定な再生可能エネルギーの有効活用にもつながる」と強調。発電した電力を蓄電し、必要なときに使う分散型電源としての活用も検討していく。
「20年の東京五輪の時には、全世界の方々にわが国の最先端環境技術として広くPRしたい」―。狩野社長の言葉からも、期待の大きさがうかがえる。実証はゴミ焼却施設の川崎市浮島処理センター(川崎市川崎区)を実験場所とし、日程は17年3月31日までの約1年間を計画する。
浮島処理センターの廃棄物発電から得た電力を、電池ステーションに送電。ここにはEV収集車に搭載する着脱式のリチウムイオン二次電池が格納され、随時充電される。収集車がステーションに入ると、フォークリフトのような運搬システムが電池を自動で収集車に積載する仕組みだ。
最大の訴求点は、収集事業のゼロ・エミッション実現とともに、「災害発生時には非常用電源の役割を果たせること」(能登隆常務執行役員)。ゴミ焼却施設が稼働していれば、常に電力を供給できる。「平常時と非常時利用の二面性を持たせることで、導入のハードルも下がるだろう」と期待する。
電池ステーションのサイズは幅9500ミリ×長さ5500ミリメートルほど。最大5個の充電池を設置できる。充電時間は8時間で、電池の交換時間は3分30秒。能登常務は「市場投入の際にはステーションの小型化が重要」とし、省スペース化で導入を容易にする考え。
普及への課題となるコスト面については、「イニシャルとランニングコストを従来のディーゼル車と同等にする」(同)ことで、解消する考え。一般的なディーゼル収集車の買い替え期間は10年ほどと言われる。同社がターゲットとする小型2トン車は3万台が走行。毎年3000台の更新需要があり、「このうち半分ほどのシェア獲得を狙う」(同)。
実証では車両や機器の動作、実際の収集活動による運用上の確認のほか、非常用電源としての活用試験を行う。能登常務執行役員は「同システムは廃棄物発電に留まらず、太陽光や風力など不安定な再生可能エネルギーの有効活用にもつながる」と強調。発電した電力を蓄電し、必要なときに使う分散型電源としての活用も検討していく。
日刊工業新聞2016年4月18日 機械面