ブリヂストンが3工場に270億円投資、20インチ超タイヤを増産する狙い
ブリヂストンは25日、乗用車用高インチタイヤの主要生産拠点である国内3工場の生産能力を増強すると発表した。彦根工場(滋賀県彦根市)、鳥栖工場(佐賀県鳥栖市)、栃木工場(栃木県那須塩原市)に計約270億円を投じる。20インチ以上のタイヤの生産能力を中心に3工場合わせて日産約3000本増強する計画。2025年初から順次着手し、28年中の完了を予定する。日本のモノづくりを世界の中核に位置付け、稼ぐ力と競争力をさらに強化する。
24年7月1日時点で3工場の乗用車用タイヤの生産能力は合計で日産8万6700本。今回の投資では20インチ以上の超高インチタイヤのほか、独自の商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」搭載タイヤの生産を強化する。
高インチタイヤは市販用の市場で需要増が続いている。生産能力を増強し、こうした追い風を最大限つかむとともに、多様な性能のカスタマイズに対応するエンライトン搭載商品の展開を推進する。新車用タイヤの提案も強化し、タイヤ交換時に引き続き同社製タイヤに履き替えてもらう「回帰需要」をとらえるとともに、電気自動車(EV)シフトを見据えた対応を進める。
日刊工業新聞 2024年11月26日