東北新幹線に導入…JR東日本が本格始動、スマート線路整備の仕組み
JR東日本は新幹線の線路設備モニタリング車「SMART―Red=写真」を12月に東北新幹線の東京―白石蔵王間に導入し、スマートメンテナンスを本格始動する。すでに導入したレール状態モニタリング車「SMART―Green」と合わせ、線路を高精度、高頻度で検査する。開発した業務システム「S―RAMos+」も用いてビッグデータの分析で劣化予測の精度を高め、予兆保全(CBM)を実現する。
SMART―Redは最大速度70キロメートルで走行しながら、点群データ取得装置で走行経路の空間情報を把握し、軌道材料モニタリング装置で線路の締結装置の脱落や緩みなどを点検する。また、分岐器モニタリング装置で線路の歪みを検知する。2025年度末までに4台を導入し、東北新幹線の白石蔵王―新青森間、上越・北陸新幹線の大宮―新潟・上越妙高間でも活用する。
JR東日本はSMART―Greenを23年に導入し、レール状態のモニタリングは新幹線全線で実施していた。2種類のモニタリング車両は連結して走行も可能で、省人化につなげる。これまで月1回実施していた目視点検を半減し省力化するほか、線路検査の回数を年1回から年12回に増やす。
日刊工業新聞 2024年11月25日