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4月17日15時45分更新【熊本地震・企業動静】サントリー熊本工場など

18日も稼働見送り
4月17日15時45分更新【熊本地震・企業動静】サントリー熊本工場など

政府も支援体制を強化し復旧に努めている(消防庁災害対策本部提供)

●サントリーホールディングス ビールや清涼飲料を手がける九州熊本工場(熊本県嘉島町)で設備点検のため、15日に操業を停止。点検後も設備の破損、倒壊はみつかっていないが、その後も余震が続いているため引き続き点検作業を行い、18日も稼働はしない方針。従業員の全員無事は確認済み。在庫は十分あるため、当面の補給は問題ないものの、「道路など物流インフラ次第では影響が出る可能性はある」(同社)。

昭和電工 半導体製造などに用いる高純度ガスの物流拠点(熊本県城南町)は従業員や設備に被害は出ていない。ただ、18日以降の営業再開は未定。電話対応できる体制は敷く。

大和ハウス工業 熊本県内で24日まで、九州全域でも18日までの工事休止を決めた。一部の工事現場では建設資材が落下する被害が発生している。熊本支店(熊本市東区)は停電、断水が続き使用できない状況。国・県からの依頼があれば、速やかに応急仮設住宅の建設に着手できるよう準備を進めている。

●岩谷産業 16日未明の地震を受けて現地対策本部を熊本県から福岡県に移した。熊本市南区の液化石油ガス(LPG)3次基地「熊本LPGセンター」と、一般高圧ガス供給拠点「熊本ガスセンター」に損傷はないものの、余震が続く現状を踏まえて稼働は停止中。二次被害を防ぐため、シリンダー配送も休止している。再開は未定。

●ファミリーマート 熊本県内の半数強にあたる84店舗が停電や商品散乱などの影響で休業中。15日以降、本部社員など約50人を派遣して現状把握と復旧支援をしている。

●再春館製薬所(熊本県益城町) 17日もコールセンター社員の出社を引き続き停止した。通常であれば年中無休で運営している通信販売の注文受け付けは、15日午後から停止した。交通状況の混乱などで商品の配送にも遅れが出ている。生産設備も損傷し工場も稼働を停止しており、再開の見通しは立っていない。

●イオン 17日は熊本県内のイオン1店舗が休業、3店舗が駐車場での営業、同2店舗が一部フロアのみの営業、同2店舗が営業。マックスバリュ8店舗が休業、同11店舗が営業。ホームワイド1店舗が休業、同1店舗が短縮営業。ワイドマート2店舗、イオンバイク3店舗は休業。

NTT西日本 17日12時時点で、熊本県内の一部地域で約1000の電話回線やインターネット通信などが不通になっている。被害の大きかった地域に九州、西日本エリアから約300人を派遣し、通信サービス復旧や各種支援業務を行っている。熊本県全域、大分県全域で公衆電話無料化を実施しているほか、避難所への特設公衆電話設置などを進める。

●九州フィナンシャルグループ 事業資金調達や返済条件変更などの相談に応じる窓口を子会社の肥後銀行本店(熊本市中央区)や鹿児島銀行熊本支店(同)などに開設した。

●日本郵政グループ 17日、熊本地震により一部損壊など郵便局20局が被災(14時時点)したと発表した。ほとんどの郵便局で営業を継続する予定だが、一部の郵便局は閉局になる可能性もあるという。日本郵便は九州各県でゆうパックの届けに遅れが生じているほか、熊本県を宛先とするゆうパックの引き受けを一時的に停止した。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
熊本県内の生産拠点は、明日以降も当面は稼働を見送るところが多そうです。

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