ニュースイッチ

【熊本地震】大分県内の工場、明日からの稼働に支障なしか

予断許さず
 16日1時25分ごろ、大分県内も大きく揺れた。別府、由布の両市で震度6弱、日田市で震度5強、大分市で震度5弱を観測した。県内での地震の揺れとしては過去最大。県内各自治体は即座に災害対策本部を設置し、避難所を開設するなどした。

 大分県内は自動車や素材といった関連産業が集積する。企業は社員の安否や生産ラインの確認に16日早朝から追われた。ただ大きな被害はなく、週明けの工場稼働に支障はなさそうだった。

 大分市の臨海部には新日鉄住金大分製鉄所をはじめとするコンビナートがある。各社ともこれまでの地震では大きな被害はなかった。

 樹脂成形品を手がける大川金型設計事務所(日出町)と菓子メーカーのざびえる本舗(大分市)は通常操業した。プレキャストコンクリートメーカーの池永セメント工業所(同)、各種検査装置、医療機器を製造するデンケン(由布市)、精密スプリング製造の中央発条工業(日田市)などは休日だった。被害はなく月曜日から通常操業という。

 ただ大川金型設計事務所の幹部は、納品先の自動車部品メーカーが完成車メーカーに部品供給する際に、一般道を使用することになるため「納期に遅れが出るのでは」と危惧する。また中央発条工業の幹部は週明け社員の出社を心配する。日田市内で道路被害があるためだ。

 大分市内は徐々に日常を取り戻しつつある。だが余震は続いている。災害に対して注意を怠らず、予断を許さない状況は変わらない。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
震源地が大分側に移動しているという情報もある。臨海部にはコンビナート、それ以外にも大分県内には半導体、自動車、精密関連の生産拠点も多い。

編集部のおすすめ