半導体精密洗浄を強化、三菱ケミカルGが新拠点
三菱ケミカルグループは11日、国内で半導体製造装置や半導体デバイスの精密洗浄能力を強化すると発表した。福島県に拠点を新設するほか、岩手県内の既存工場を増強する。投資額は計30億円を見込み、洗浄能力は現状の岩手工場の能力と比べて2倍に高まる。いずれも2026年10月に稼働する予定。近年の半導体市場の伸びに伴い精密洗浄の需要も拡大しており、顧客の近くで効率的にサービスを提供できる体制を整える。
三菱ケミカルグループ傘下の新菱(北九州市八幡西区)が半導体精密洗浄事業を手がけており、半導体製造装置などのパーツ洗浄能力を拡充する。
新設する新菱の福島工場(福島県郡山市)は三菱ケミカルの郡山製造所(同)の遊休地を活用し、建屋の改築や新たな洗浄設備を導入。岩手工場(岩手県一関市)は建物を一部増築するほか、新たな洗浄関連設備も導入する予定だ。
三菱ケミカルグループの精密洗浄技術は塵やホコリ、金属不純物などナノメートル(ナノは10億分の1)単位の汚れをきめ細かく除去できる。必要に応じてパーツの表面を改質することで、半導体製造の歩留まりの向上とともに、廃棄パーツの削減や環境負荷の低減にも貢献する。
【関連記事】 半導体パッケージ基板で存在感を増す印刷会社
日刊工業新聞 2024年11月12日