不二越は高効率ヒートポンプを搭載し、大幅な省エネルギーを実現した真空脱脂洗浄装置「ＮＶＤ―１０ＨＰ」を１２日に市場投入した。消費電力を従来品比で５０％削減できる。金属熱処理前後の脱脂洗浄工程において環境負荷低減や省エネを実現し、コストダウンを可能にする。自動車関連や産業機械の市場に訴求し、年間２０台の販売を目指す。

ＮＶＤ―１０ＨＰは８０度Ｃの低温洗浄を可能にしたことで、洗浄液の加熱に必要なエネルギーを削減し、省エネ性能を高めた。また高効率なヒートポンプの採用により、消費電力を従来品比で５０％以上削減した。不二越が真空脱脂洗浄装置にヒートポンプを搭載するのは初めて。価格はオープン。

洗浄液を直接加熱しない温水間接加熱方式のため、熱媒体油が不要となり、省資源化や運用コストの削減につながる。また、設置面積の小型化も実現。共通ベースの小型化で設置面積を従来品比で２０％削減した。ユニット化により既存品とも簡単に置き換えることができる。

最大洗浄量は１０００キログラムで、洗浄品の最大寸法は幅７６０ミリ×奥行き１２２０ミリ×高さ７６０ミリメートル。洗浄液保有量は１６００リットルで電源容量は約３４キロワット。設置寸法は幅２・２メートル×奥行き４・８メートル×高さ２・７メートル。

電力価格の上昇を受け、金属熱処理工程では電力消費量の少ない省エネ型洗浄装置のニーズが高まっている。不二越では、独自の減圧蒸留再生器を搭載した炭化水素系の真空脱脂洗浄装置を手がけ、自動車や産業機械分野における熱処理工程の洗浄ニーズに応えてきた。