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マイナス金利、中小企業の67%「影響なし」

設備投資効果も期待薄
 マイナス金利政策の影響は現時点で限定的―。大同生命保険が日銀によるマイナス金利が与える影響を調査したところ、半数以上の中小企業が影響はないと回答していることが分かった。マイナス金利は金融機関の企業に対する事業融資につなげることを意図したものだが、導入からまだ月日が浅いこともあり、中小側の事業活動を後押しするまでは至っていないようだ。

 調査は大同生命が顧客企業を中心に全国4048社の中小企業から回答を得てまとめたもの。実施したのは3月1日―31日でマイナス金利導入の影響についてまとめた。

 調査によると、マイナス金利が与える影響について聞いたところ、「どちらでもない」が全体の67%で、「プラス」の18・8%、「マイナス」の14・2%を大きく上回った。

 マイナス金利に期待することについては、「企業活動の活発化」が19%、「融資の拡大」が14%だったのに対し、「特にない」が22%で最も多かった。

 懸念することについては「株式市場の不安定化」と「特にない」が27%で並んだ。

 マイナス金利を受けて今後検討していることについては「特段の予定はない」が最大の52%。日銀が期待する「設備投資の拡大」は15%、「金融機関からの借り入れ拡大」は9%にとどまった。

 3月の日銀短観によると、マイナス金利政策によって金融緩和状況は一層進んでいる。中小企業向けの貸し出し判断については、1989年11月以来の緩和水準となっている。ただ、導入からまだ期間が浅いこともあり、政策効果が企業の設備投資といった実体経済へ波及するにはまだ時間がかかりそうだ。
日刊工業新聞2016年4月15日付金融面
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
投資や貸し出しを増やし、実体経済を刺激する効果が期待されるマイナス金利政策。だが、企業にとって設備投資に踏み切るかの判断は将来展望。「展望」どころか先行き懸念がむしろ強まる現在の経済情勢では、前向きな資金需要につながらないのは当然のことと感じます。

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